無免許運転を繰り返していた木下富美子都議が辞職会見を開きましたが、そこでも問題が発生…
- 木下富美子都議が辞職会見
- 議員報酬は受け取らず寄付、期末手当(ボーナス)も同様
- 遅きに失した辞職:三か月の繰り上げルールの回避と起訴が理由か
- 木下都議の弁護士桐生貴央「都議会はいじめのように思えてならない」
- 木下「仕事したいのにできない理不尽」「ボイコットは仕事をサボっているということ」
- 「無免許運転の自覚があったのか?」⇒桐生貴央弁護士「裁判の場で明らかにしたい」
木下富美子都議が辞職会見
2021年11月23日、木下富美子都議が辞職を宣言する会見を開きました。
遵法意識が弛緩していたとして運転免許の再取得はしないことも表明。
議員報酬は受け取らず寄付、期末手当(ボーナス)も同様
木下都議には毎月102万円の歳費と50万円の政務活動費が支給されていました。
また、11月1日の在職をもって、期末手当(ボーナス)も支給されることも決定済み。
※東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例において、「基準日前一月以内に、退職、失職又は死亡した都議会議員(当該基準日においてこの項前段の規定の適用を受ける者を除く。)についても、同様とする。」とある。
これについて木下都議は議員報酬は受け取らず寄付するとし、期末手当も同様であると記者からの質問に対して述べました。
遅きに失した辞職:三か月の繰り上げルールの回避と起訴が理由か
このタイミングの辞職表明は遅きに失したと言えます。
これまでに2度、都議会で辞職勧告が出されていますが、これには法的拘束力はありません。また、都議会の懲罰も議会外の事案を根拠にすることは難しく、それによる除名処分も期待薄でした。
木下都議がその職を失うことについて、残るは当選から1年経過後のリコールか、実刑判決による自動失職、そうでなければ自発的な辞職のみでした。
しかし、なぜこの時期に辞職なのか。
- 三か月の繰り上げルールの回避
- 起訴を受けての実刑判決回避
投開票日から三か月以内に退職・失職した場合には次点の候補者が繰り上げ当選するというルールがあります(公職選挙法112条第5項)
仮に木下都議が10月4日までに辞職していた場合、板橋区の次点者である自民党の松田康将氏が繰り上げ当選することとなります。
この時期まで辞職をしなかったことで、原則として欠員のままということに。議員報酬等が目的ではないというのであれば、ここまで粘って辞職しなかったのは繰り上げ当選を回避する意図が疑われても仕方が無いでしょう。
そして、11月9日に雲隠れ状態から姿を現して記者会見をした段階では議員を続ける意向だったのだから、今回の辞職は起訴されたのが理由でしょう。それによって実刑判決を回避しようという狙いがあるでしょう。
7回無免許運転の木下都議を起訴 失職の可能性は?|テレ朝news-テレビ朝日のニュースサイト
木下都議の弁護士桐生貴央「都議会はいじめのように思えてならない」
FNNプライムオンラインの動画の23分過ぎから
木下都議の弁護士である広尾総合法律事務所の桐生貴央が、木下都議に対する都議会の対応について「学校や職場で見られるいじめのように思えてならない」と発言。
この発言は木下議員が当選後、当選証書の受け取りにすら現れず、議会への登院をまったくせず、出席を求められても出席してこなかった(何度目かでやっと出席した)という経緯からすると不思議です。
法的拘束力の無い辞職勧告という手続についても批判していましたが、議会の運用としてこれまで行われてきたものですし、議会としての意思を示す行為をすべて法制化してからでないとできないというのはおかしいし、すべての行為に法的拘束力を付与することもまた柔軟性に欠けることとなるでしょう。
木下都議の弁護士から「都議会はいじめ」という批判が出された。先の委員会が流会になったのは辞職勧告決議や議長召喚について説明がなされていないという事。無免許運転している方が議員になってもいいのかという問いかけに答えがないから委員会は開けないという事であり「いじめ」とは全く違う。
— 川松真一朗【墨田区選出•自民党・40歳】 (@kawamatsushin16) 2021年11月22日
なお、共同通信記者からの質問で「木下都議も同様の認識か」と問われた際、本人は否定し、当該弁護士の認識を述べられたのだと思うと発言。
木下「仕事したいのにできない理不尽」「ボイコットは仕事をサボっているということ」
木下議員は「仕事したいのにできない理不尽」「ボイコットは仕事をサボっているということ」と発言していますが、辞職勧告決議や議長召喚(法的拘束力無し)について説明がなされていない中で出席をしようとしているという、木下議員側の問題でしょう。
木下都議の弁護士の発言…委員会に出席したにもかかわらず、他の都議が退席したことについて「出席しているのにボイコットした。仕事をサボっているのは、どちらも同じ」と…木下都議もサボってると認めた事になるのでは?冷静でない弁護士は見てられない
— 田村淳 (@atsushilonboo) 2021年11月22日
「無免許運転の自覚があったのか?」⇒桐生貴央弁護士「裁判の場で明らかにしたい」
「無免許運転の自覚があったのか?」という記者の質問に対して桐生貴央弁護士は「裁判の場で明らかにしたい」とだけ回答。
既に別の場面では木下氏が「罪を償っていきたい」と発言しているのに、この態度は矛盾しているような気がしますが…
無免許運転は免停時期の広い範囲に渡って行われていることが明らかで、言い逃れできるものではないでしょう。当初「勘違いしていた」などと言っていましたが、明らかに嘘ですからね。
なお、「選挙期間中にはバイクには乗っていない」と会見で発言していますが、質問は「選挙期間中も無免許で運転していたんですか」というものであり、車での事故を起こしたのは事実ですから誤魔化しの回答をしているということです。
以上:はてなブックマークをして頂けると助かります。