強盗・強制性交等や強制わいせつ致傷などの罪に問われた被告に「懲役41年」という異例の判決が7月29日、福岡地裁で言い渡された。被告は2018年7月から約1年半の間に、福岡県内で女性7人に相次ぎ性的暴行などをして、うち6人から計約240万円を強盗するなどしていた。検察官に「人を性的、金銭的な対象としてしか見ず、新しいターゲットを探してはあらゆる手段でしゃぶり尽くした」と言わしめた連続性犯罪。傍聴席から見えたのは、巧みに女性の弱みを掌握する「卑劣な方法」だった。【浅野孝仁、平塚雄太】
「悪夢」の始まりは出会い系サイト
「被告人を懲役16年と懲役25年に処する」。29日午後3時過ぎ、福岡地裁101号法廷で溝国禎久裁判長の判決読み上げを、証言台前の椅子に座った福岡市南区の無職、今泉成博被告(44)は落ち着いた様子で聞いた。色白の肌に黒い短髪。眼鏡の奥の目は切れ長で、上下黒のジャージー姿からは地味な印象だ。しかし、6月からこの日まで17回開かれた裁判員裁判の公判では、そんな外見からは想像もつかない犯行が次々と明らかにされた。
被害に遭った10~30代の女性7人と今泉被告を結びつけたのは、出会い系サイトだ。このうち20代の女性は、男女2人で連絡が取り合える「2ショットチャット」というサイトで被告と知り合った。「音楽ライブに行く小遣いが欲しくて、『お金が欲しい』と書き込んだら(被告から)メッセージが来て、近所の駅で会うことになった」という。こうして気軽に会う約束をしたのが「悪夢」の始まりだった。
たわいのない会話が脅しに
公判での被害女性の証言や、検察側の論告からは、共通した手口が見えてきた。女性と待ち合わせた今泉被告は「景色のきれいなところに行こう」などとドライブに誘う。自宅に連れて行った最初の1人を除く6人が連れて行かれたのは福岡市早良区の山中だった。道中…