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京王線刺傷 逮捕の男「ハロウィーンの日に犯行を」犯行前の足取りは

 きのう夜、京王線の車内で70代の男性が胸を刺され、1人が重体、16人が重軽傷を負った事件。警視庁は殺人未遂の疑いで住居不定・職業不詳の服部恭太容疑者(24)を逮捕しました。事件から1日、逮捕前の服部容疑者の足取りがわかってきました。

 電車の中を逃げ惑う乗客。
 「危ない危ない危ない危ない!押さないで!押さない!押さない!押さない!押さない!早く早く早く!」

 次々と逃げてくる乗客で車両の前方はいっぱいに。そして、後ろの車両から火の手が上がります。
 「燃えてる燃えてる」

 乗客たちは電車の窓を開けて、ホームに逃れました。きのう午後8時ごろ、東京・調布市を走る京王線の車内で70代の男性が胸を刺され、1人が重体、16人が重軽傷を負った事件。

 「何やらかしてんだよ」

 警視庁は殺人未遂の疑いで住居不定・職業不詳の服部恭太容疑者(24)を逮捕しました。

 「ジョーカーに憧れていた」
 こう供述しているという服部容疑者は逮捕直前、映画「バットマン」の悪役・ジョーカーと同じような紫色のコートとスーツに緑色のシャツ姿で、たばこを吸っていました。

動画を撮影した人
 「この右腕なんですけど、これナイフです。ナイフの長さが長かった。普通の包丁とかではなくて結構な長さで」

 実はこの事件の前、ハロウィーンで混み合う渋谷の街で服部容疑者の姿が捉えられていました。

記者
 「事件の起きた車両では、鑑識作業が進められています」

 きのう、1人が重体、16人が重軽傷を負った京王線の車両です。焼け焦げた座席が確認できます。

 事件から1日、逮捕前の服部容疑者の足取りがわかってきました。警視庁によりますと、服部容疑者は犯行前の午後5時ごろ、京王八王子駅から電車に乗り、午後6時ごろ、渋谷駅で下車しています。

服部容疑者
 「ハロウィーンの様子を見たかった」

 これは、JNNが入手した午後6時9分の渋谷駅近くの映像。服部容疑者とみられる紫のコートに緑色のシャツを着た男が歩いていきます。さらにそのおよそ4分後。今度はセンター街の中に服部容疑者とみられる姿が。警察官がハロウィーンの渋谷の街を警戒するなか、その目の前を通り過ぎていきます。30分ほど、渋谷に滞在した服部容疑者は午後6時40分ごろに再び渋谷駅から電車に乗り、調布駅で下車。そして、逆方向の新宿行きの特急電車に乗り換えて、国領駅の手前で犯行に及んだということです。服部容疑者は、「ハロウィーンは電車にたくさんの人が乗っていると思った」と供述しているということです。

 なぜ服部容疑者は凶行に及んだのか。警視庁によりますと、服部容疑者は今年6、7月ごろまでは福岡市で暮らしていましたが、その頃、仕事が上手くいかずに死にたいと思うようになったといいます。

服部容疑者
 「死ぬなら多くの人を殺して死刑になりたい」

 そう考えた服部容疑者は、福岡を出て神戸や名古屋を転々としている8月に、小田急線の襲撃事件が起きて電車内での犯行を決断し、9月末から先月上旬ごろ、東京へ向かったといいます。上京してからは八王子駅近くのホテルに滞在し、ハロウィーンの日に犯行に及ぶことを決めたうえで、何度か渋谷を訪れていたということです。服部容疑者は「人を殺せなくて悔しい。計画通りいかなくて悔しい」と供述していて、警視庁が動機などについてさらに追及しています。