電動フォーミュラカーによるレースシリーズを展開しているFormula E(フォーミュラE)が、地球上で最も効率的なレースカーを発表した。各チームはこの新しい第3世代(Gen3)のマシンを2022-23年シーズンで使用することになっており、2022年春に納車された後、テストを開始できるようになる予定だ。
Gen3は、第2世代のマシンよりも軽量・小型化されているだけでなく、レースで使用するエネルギーの少なくとも40%は回生ブレーキによって生成されると、フォーミュラEと国際自動車連盟(FIA)は述べている。そのため、Gen3は、リアに油圧ブレーキを持たない初のフォーミュラカーとなる。
また、Gen3は車体の前後両方にパワートレインを搭載した初のフォーミュラカーでもある。フロントに250kW、リアに350kWのパワートレインを搭載しており、合計でGen2の2倍以上に相当する600kWの回生能力を備える。
さらに、電気モーターは最大で350kW(470bhp)の出力を発揮し、最高速度は320km/hに達する。フォーミュラEとFIAによれば、そのパワーウェイトレシオは、同等の最高出力を発生する内燃機関の2倍の効率になるという。
Gen3は持続可能性を念頭に置いて設計されたマシンだ。ネット・ゼロ・カーボンとなり、壊れた炭素繊維製部品はすべてリサイクルされる。タイヤには26%の持続可能素材が使用されている。
「第3世代のマシンを設計するにあたり、私たちは高性能、効率性、持続可能性が妥協せずに共存できると実証することを目指しました」と、フォーミュラEのJamie Reigle(ジェイミー・ライグル)CEOは、声明の中で述べている。「FIAと協力して、私たちは世界で最も効率的で持続可能な高性能レーシングカーを開発しました。Gen3は、これまでで最も速く、軽く、パワフルで、効率的なレーシングカーです」。
フォーミュラEは、まだGen3のデザインを完全に披露しているわけではない。いくつかのティーザー画像が公開されただけだ。しかし、数カ月後には各チームがテスト走行を開始する予定であるため、我々がこのマシンの全貌を目にする日もそれほど先のことではないはずだ。
編集部注:この記事はEngadgetに掲載されている。本稿を執筆したKris Holtは、Engadgetの寄稿ライター。
画像クレジット:Formula E
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(文:Kris Holt、翻訳:Hirokazu Kusakabe)