まもなく米国で発売されるGMC『ハマーEV』については、ほぼすべての情報が明らかになっています。ハマーは元々、ガソリンを大量に消費するモンスターSUVでしたが、環境保護団体からの圧力や燃料代の負担が大きいことなどの理由で、姿を消してしまいました。GMCはこのハマーを、巨大なパワーとトルクを備えたEVのスーパートラックとして復活させました。
ハマーEVについて明確になっていない点の1つは、1回の充電でどこまで走れるのかということでした。今回、その答えが意外な場所で確認されました。米国のファンサイト「Hummer Chat」で、シボレー車向けアプリ「MyChevrolet」のアップデートに関する情報が投稿されており、ユーザーがログインすると3台のEVがアプリ上に表示されたのとのこと。
その3台とは、シボレー『ボルトEV』と『ボルトEUV』、そしてGMC『ハマーEV』でした。GMC車向けの「MyGMC」アプリではなく、なぜかMyChevroletに掲載されたのです。いずれもGM傘下のブランドですが、通常、異なるブランドをアプリの中で混在させることはありません。さらにアプリ上では、ハマーEVの航続距離が538kmと表示されていました。
ハマーEVの航続距離については、GMCはこれまで、1回の充電で560km以上走ると推定していました。アプリ上の538kmという数字が、EPAサイクルの推定値なのか、それともGMによる「予想の変更」なのかは不明です。いずれにせよ、ハマーEVの航続距離は当初の期待を下回ることになるかもしれません。ハマーEVは大型かつ重量級のフルサイズSUVで、3基の電気モーターを組み合わせて1,000馬力を発揮します。EVなので走行中のCO2排出量はゼロに抑えられていますが、航続距離よりも性能やスタイルを重視して作られていることは明らかです。
しかし、アプリ上ではどの仕様の数字かが確認できないため、ハマーEVの「最大航続距離」と捉えるには早急という見方もあります。最上位モデルでは1,000馬力を発揮しますが、それ意外にも625馬力から800馬力まで複数の仕様が用意されています。そのため、パワーの低いモデルの方が航続距離が長くなることも想定されます。
また、仮にEPA推定の上限値であったとしても、現実世界ではもっと長く走れる可能性があります。米国のEPAテストサイクルは条件が非常に厳しく、テスト結果が実環境での性能を下回ることがしばしばあり、例えばポルシェ『タイカン』でも、EPAの公式数値を大きく上回る距離を走行できることが確認されています。もちろん、気温や地形、運転スタイルによって航続距離は大きく異なるため、EPAの値に近づけないドライバーもいます。ですが、少なくともハマーがコンセントを必要とするまでにどのくらいの距離を走れるかは、ある程度わかってきています。
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