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そりゃそうだろう。

トランス女性は女性より優位、公平性・安全性を欠くと報告書

関連記事は以下。

英国のSports Councils Equality Group というスポーツ評議会平等グループが、トランスジェンダー女性は女性より優位であり、女性スポーツに参入することは公平性・安全性を欠くという内容の報告書が2021年9月30日付で出されました。

※トランス女性とは、生得的男性というのが大前提。その上で、性適合手術を受けていることであったり性自認が女性であったりテストステロン値が女性に近いなど、分類・判定方法には国や地域・場面ごとに多様なものがある。

英国スポーツ評議会平等グループSCEGの報告書

英国スポーツでトランスジェンダー女性排除

英国スポーツ評議会平等グループSCEGの報告書の置き場所。

https://equalityinsport.org/resources/index.html魚拓

現時点ではアクセスが集中していて魚拓からの方が良い。

Guidance for Transgender Inclusion in Domestic Sport (魚拓

Guidance for Transgender Inclusion in Domestic Sport– Summary of Background Documents (魚拓

FAQs (魚拓

テストステロン抑制の有無にかかわらず優位

As a result of what the review found, the Guidance concludes that the inclusion of transgender people into female sport cannot be balanced regarding transgender inclusion, fairness and safety in gender-affected sport where there is meaningful competition. 

報告書は、トランスジェンダーの女性スポーツへの参加に関し、激しい競争が存在するジェンダーの影響を受けるスポーツにおいては、公平性や安全性のバランスが取れない、ということを結論付けています。

This is due to retained differences in strength, stamina and physique between the average woman compared with the average transgender woman or non-binary person assigned male at birth, with or without testosterone suppression. 

その理由として、「テストステロン抑制の有無にかかわらず平均的な女性と、平均的なトランスジェンダー女性や非バイナリーの人とでは、体力や体格に違いがある」ことを挙げています。

Sports, however, are incredibly diverse and there can be no ‘one-size fits all’ approach. This review has concluded therefore that, for many sports, there may not be a common single competition model which will meet the needs of full transgender inclusion while retaining competitive fairness, particularly in female sport. 

多くのスポーツ、特に女性のスポーツにおいては、競技の公平性を保ちつつトランスジェンダーを完全に受け入れるというニーズを満たす共通・単一の競技モデルは存在しないかもしれないとしています。

トラスジェンダーの女性スポーツ参加については2015年に国際オリンピック委員会によって設定されたガイドラインに従って行われ、トランスジェンダーの女性がテストステロンレベルを1リットルあたり10nmol未満に抑えるのが条件となっていました。
(最新のものは5nmol/L)。

が、8月にIOCは、これらの規則が「目的に適していない」ことを認め、今後数か月で改訂される予定です。

3つの選択肢とトランスジェンダーの競技参加オプション

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報告書では3つの選択肢を提示しました。

  1. トランスジェンダーの競技参加を優先するカテゴリ
  2. 女性カテゴリやオープンカテゴリ(プロまたはアマチュアのステータス、年齢、能力、性別、性別、またはその他の分類に関係なく、競技者が参加できるもの)
  3. 追加的なカテゴリを創ること

競技によっては基本的に男女が混じっても問題ないものもあれば、そうなると女性の身体が危険に晒されるものがあります。

また、競技レベルや年齢が異なる者同士が競争するような場合にも同様の危険があります。

一番分かりやすいのが「コリジョンスポーツ」と呼ばれる、「身体接触を伴うプレー」が出現するスポーツで、ラグビーが最も典型例でしょう。

ただ、必ずしもそうではないスポーツ競技もあり、同じスポーツ競技の中でもレギュレーション次第ではその危険を回避でき、公平性も保つことが可能かもしれない。

報告書は、ハンディキャップを設けたり、競技のフィールドや道具・ボールを変更したり、歩行型のチームスポーツにしたり、距離、プレー時間を変えたり、障害等級に応じたスコアリング類似のルールを導入するなど、その方法は様々だと指摘しています。

報告書を支えるスポーツ科学的知見と事実

Guidance for Transgender Inclusion in Domestic Sport– Summary of Background Documentsに報告書が書かれた前提となるスポーツに関する知見が書かれています。

Adult male athletes have on average a 10-12% performance advantage over female competitors in swimming and running events, around 20% advantage in jumping events, and 35% greater performance in strength-based sports (e.g. weightlifting) for similar-sized athletes.

男性の方が女性よりも強さ・速さ・高さといったパフォーマンスが高いという事実。

However, an understanding of the gap between the two sexes can be recognised by results of practice matches between national senior women’s football teams against under-age boys’ teams in recent years: the national teams from Australia, USA and Brazil were beaten comprehensively (7-0, 5-2, 6-0 respectively) by club teams of 14 and 15-year-old boys.

サッカー競技において、オーストラリア・アメリカ・ブラジルの女子代表チームが14-15歳の少年カテゴリのチームに打ち負かされている事実を紹介。

日本でもそうです。男子が高校レベルになると以下の様相に。

なでしこが静学に屈辱12失点、高倉監督目潤ませ… – 日本代表 : 日刊スポーツ

However, at this time, emerging evidence does not support the view that testosterone suppression for 12 months will achieve parity of strength, stamina and physique for transgender women compared with females; and hence cannot guarantee fairness

現時点では、テストステロンを12ヵ月間抑制することで、トランスジェンダー女性の体力、スタミナ、体格を女性と同等にすることができるという見解を裏付ける証拠はありません。

テストステロン抑制によって緩やかにパフォーマンスは下がりますが、トレーニングによって緩和でき、3年の研究期間では女性アスリートと同等にはならなかったとされている上、骨格や骨密度はほとんど変化がなかったとしています。

唯一、血中ヘモグロビン濃度が女性と同等に下がる結果が見られたとしていますが。

まとめ:生得的男女の違いを認めた上で、安全性・公平性を確保しながらトランスジェンダーの競技参加を

報告書も指摘するように、生得的男性と生得的女性のフィジカル的パフォーマンス的な違いをまずは認める所から始めなければいけません。

トランスジェンダーの競技参加・受け入ればかりを優先して、安全性・公平性(専ら女性の側が危険に晒されるだろう)が阻害されることがあってはならない。

ただし、そこで終わらないのがこの報告書の妙です。

トランスジェンダー(ほぼトランス女性の問題だろう)がスポーツに参加する機会を完全に奪ってはならないし、出来る限りその機会を確保する道を探るべきともしています。

こうした考えかたが示されたことは、スポーツ界のみならず、社会にとって適切な方向に向かっていると言えるでしょう。

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