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ある噂によると、AMDは第5世代のEPYCプロセッサーについて、非常に高い最大設定可能熱設計電力(cTDP)を検討しているそうです。情報が正確であれば、数年後に発売される予定のAMDのEPYC 7005シリーズのCPUは、cTDPが600Wになるかもしれません。

木曜日、ハードウェアブロガーであるExecutableFixは、AMDのSP5フォームファクターのEPYC「Turin」プロセッサのcTDPは最大で600Wとなり、最新のEPYC 7003シリーズ「Milan」プロセッサのcTDPに比べて2倍以上になると述べました。情報は非公式なものであり、詳細な情報ではありませんし、検証もできませんので、大目に見てください。しかし、情報には根拠があります。

SP5フォームファクタのAMDの第5世代EPYCプロセッサは、最大256個のZen 5コアを搭載すると噂されています。また、AMDは、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)やデータセンターアプリケーション向けに、CDNAベースのコンピュートGPUを統合したハイブリッドプロセッサを準備していると噂されています。最大256個の”ファット”コアを搭載したCPUは、かなりの電力を消費することになりますが、600WというcTDPは少し高いようです。

ギガバイトのリーク情報によると、第4世代および第5世代のEPYCプロセッサー用のAMDのSP5プラットフォームは、ごく短時間であれば最大700Wの電力を供給できるように設計されているとのことですので、600WのcTDPは事実かもしれません。一方で、AMDの第4世代EPYC「Genoa」プロセッサ(SP5基盤を採用)に対応した400W対応の冷却システムを、クーラーメーカーがすでにリストアップしていることからも、AMDの次世代サーバープラットフォームが、電力消費の大きいCPUをサポートするように設計されていることがわかります。

現在、大規模なクラウドデータセンターの運営者や、要求の厳しいワークロードを抱える企業は、得られる最大のパフォーマンスを求めており、AMDとインテルは、しばしば高いTDPを特徴とする圧倒的なパフォーマンスのCPUを提供しなければなりません。実際、サーバー用プロセッサーのTDPはここ10年ほど急速に上昇しており、次世代のサーバー用CPUの消費電力が既存のものより高くなっても不思議ではありません。一方、AMDやインテルは、一部の顧客に対して、通常のモデルよりも大幅に消費電力の高いカスタムCPUを提供しなければならないこともあります。

サーバーグレードのプラットフォームは、標準的なプロセッサーをサポートするだけでなく、特定のワークロードに最適化された様々なカスタムバージョンをサポートすることを意味しており、TDPが高くなる可能性があります。そのため、AMDの次世代プロセッサ「EPYC」の特別バージョンは、確かに600Wにパワーアップしているかもしれませんが、通常のSKUではTDPがかなり低くなっている可能性があります。つまり、AMDの将来のEPYCプロセッサーの中には、cTDPが600Wのものもあるかもしれませんが、標準的なCPUのTDPレベルを想定するのは時期尚早です。