10月31日投開票の衆院選は自民、公明両党が293議席を獲得し、岸田文雄首相の政権運営は当面安定しそうだ。「風の読めない選挙」の堅調な結果に安堵(あんど)する首相だが、今後は新型コロナウイルス下の経済対策など、まだ「看板」段階の政権政策の内実が問われることになる。一方、立憲民主などの野党は共闘路線の見直しを迫られている。
「看板どまり」政策の内実問われ
「(絶対安定多数の)261議席という貴重な支援をいただいた。責任政党として国民の負託に応えていく」。岸田首相は衆院選から一夜明けた1日午後の記者会見で、堅調な選挙結果をこう強調した。
自民党は単独で絶対安定多数の議席を得たため、常任委員長のポストを独占することが可能で、さらに各委員会の過半数を占められる。今後の国会運営の安定が約束され、遠藤利明選対委員長は1日朝のフジテレビの番組で「正直ここまでいけるとは思わなかった。皆さんのおかげだと感謝している」と安堵の表情を浮かべた。
遠藤氏が「単独過半数は難しいと思っていた」と漏らしたように、選挙中は議席の大幅減もあり得るとの懸念がつきまとった。就任間もない首相に対する有権者の反応は見えにくく、新型コロナウイルス禍で集会や街頭演説への動員も制約され、自民候補たちの肌感覚を鈍らせた。
河野太郎広報本部長は10月31日深夜のラジオ番組で「無風だった」と選挙戦を総括。ただ…