もっと詳しく

東京オリンピックのハンドボール男子、予選リーグのグループBで、日本はポルトガルに31対30で勝ち、1988年のソウルオリンピック以来、33年ぶりのオリンピックでの勝利となりました。しかし、グループ内の得失点差で目標としていた準々決勝進出はなりませんでした。

ハンドボール男子の予選リーグは東京 渋谷区の国立代々木競技場で行われ、12チームが6チームずつ、2つのグループに分かれて総当たりで戦い、それぞれのグループの上位4チームが準々決勝に進みます。

グループBの日本は、これまで4戦4敗と勝利がなく、1日の第5戦はポルトガルを相手に今大会初勝利を目指しました。

試合は前半、徳田廉之介選手が4得点をあげるなど、16対14と2点リードして試合を折り返しました。

後半はポルトガルに試合のペースを握られて逆転され、一時は20対22と2点のリードを許しますが、キャプテンの土井レミイ杏利選手を中心に粘り強く戦い、試合終了間際に吉野樹選手の得点で再び逆転してポルトガルに31対30で競り勝ちました。

日本のオリンピックでの勝利は、1988年のソウルオリンピック以来、33年ぶりとなります。

しかし、目標としていた準々決勝進出は、同じグループで最後の1枠を争っていたポルトガルとバーレーンとの得失点差で果たせませんでした。

ジグルドソン監督「この勝利は希望につながる」

日本のダグル・ジグルドソン監督は「今の気持ちを語るのは非常に難しいが勝利したことについてはうれしい。チームとしてより強くなったし、この勝利は希望につながる。チームのみんなに感謝したい」と今大会を振り返りました。

また、これまで出場の機会が少なかったものの、この試合でチーム最多得点をあげた徳田廉之介選手の起用については「フレッシュでプレーできるエネルギーがたくさんある。相手チームを驚かせるプレーができると考えた。非常に大きな貢献をしてくれた」と活躍をたたえました。

そのうえで、「このチームは今大会出たチームの中でも最も若いチームだ。これからの成長を楽しみにしている」と話していました。

土井レミイ杏利「最後まで戦えたことを誇りに思う」

日本のキャプテン、土井レミイ杏利選手は涙を流しながら取材に応じ、「このコロナ禍の状況で大会運営に携わった皆様、応援していただいた皆様、本当にありがとうございました。目標としていた準々決勝進出はできなかったが最後に勝利という形で終われて、このチームの一員として最後まで戦えたことを誇りに思う」と話していました。

そのうえで「目標は達成できなかったが、一切悔いはない。本当に幸せでした。今後も日本のハンドボール界が盛り上がっていってほしい」と話していました。

徳田廉之介「目標を達成できず悔しい」

この試合チーム最多の6得点をあげ、日本の33年ぶりの勝利の原動力となった徳田廉之介選手は「チームの勝利に貢献したいという強い思いで試合に臨んだ。試合には勝ったが、ほかのチームとの得失点差で準々決勝進出という目標を達成できず悔しい気持ちでいっぱいです」と話していました。
そのうえで「これからまだまだ代表での活動は続くし、日本のハンドボールがオリンピックでメダルを取れるように、僕たち若い選手が中心となって日本代表を引っ張っていきたい」と次のパリ大会に向けて決意を新たにしていました。