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近年、世界的に人気が高まっているe-Bike(スポーツタイプの電動アシスト自転車)。その中でも、ここ最近で見かける機会が増えているのが極太のタイヤを装着したモデル。その代表的な存在と言えるのが、デンマーク生まれのMATE. BIKE(メイト バイク)がリリースする「MATE X」です。一度見たら忘れられないインパクトのあるルックスのMATE Xに試乗し、その魅力を確かめてきました。

↑「MATE X」33万円(税込)〜。価格は、装備(ブレーキが油圧か機械式か)やバッテリーの容量によって異なります。重量は28.5kg(バッテリー含む)

 

ホイールに組み込まれたモーターでユニークなスタイルを実現

MATE. BIKEが生まれたデンマークのコペンハーゲンは、世界一の自転車都市とも呼ばれる街。その街に暮らす開発者が“こんな機能があれば”と考えた装備が具現化されたのがMATE Xで、個性的なルックスも見た目のインパクトを狙ったものではなく、必要と考える機能を実現するためのものだとのことです。

 

例えば極太のタイヤ(20×4)と前後のサスペンションは、休日に郊外でのピクニックを楽しむ住人が多いことから採用されたもの。ブレーキも制動力の高いディスクブレーキが装備されています。

 

今回紹介するMATE Xは、第二世代モデルで初代よりもアシストのセンサーがアップグレードしています。現在は、シーズンカラーもあわせて全11色も揃えている豊富なボディカラーも魅力です。

↑タイヤは前後とも20×4.0インチのブロックタイヤを装着。グリップを高めるとともにインパクトあるルックスにも貢献しています

 

↑フロントにはサスペンション式のフォークを装備。路面からのショックを吸収します

 

↑リアにもサスペンション機構を搭載しているので、オフロード走行にも対応

 

↑ブレーキは前後ともディスク。撮影モデルは機械式ですが、油圧式も選択できます

 

e-Bikeの駆動力を司るモーター(ドライブユニット)はBAFANG(バーファン)製。リアホイールの軸(ハブ)と一体化した構造です。バッテリーはフレームに内蔵されているので、一見すると電動アシスト付きかわかりにくい見た目になっています。アシスト走行が可能な距離は80kmで、大容量のバッテリーを選択すれば120kmまで延長可能です。

↑リアホイールに組み込まれたハブタイプのモーターを採用

 

↑フレームに内蔵されるバッテリーはSamsung製。フレームを畳んだ状態で取り外すが、車体に搭載した状態でも充電は可能

 

↑カラー表示のディスプレイを採用し、走行スピードやバッテリー残量などを表示。ちなみに、ディスプレイ下部に搭載されたUSBポートでスマートフォンなどを充電することもできる。アシストモードなどの切り替えは左手側のコントローラーで行う

 

変速ギアはシマノ製の8速で、信頼性の高いパーツがセレクトされています。オフロードの走行も可能とされていますが、ハンドル幅はマウンテンバイクのように広くなく、基本的には街乗りをターゲットにした設計であることが感じられます。

↑シマノ製のALTUSグレードの変速ギアを装備。後ろのみの8段変速で、フロントには変速機構はありません

 

↑変速操作はグリップを回して行うタイプ。グリップはエルゴノミックタイプで、ブレーキレバーは少し長めのタイプです

 

↑スタンドは接地面の広いタイプで駐輪中の安定感も良好。車体の重いe-Bikeには必要な装備です

 

↑ハンドル幅は650mmで、高さ調整が可能なステムが採用されています

 

↑サドルは幅の狭いタイプですが、クッションは厚めで座り心地は良好

 

MATE Xは折り畳み機構も備えています。ハンドルを畳み、フレームを中央部から折り曲げるようにして、工具なしで折り畳むことが可能です。折り畳んだ状態でのサイズは高さ780mm、長さ1030mm、幅590mm。通常時のサイズが高さ1240mm、長さ1800mm、幅650mmなので、思った以上にコンパクトになります。ただ、重さがあるので、持ち運んで電車に乗ったりするのは現実的ではなさそう……。クルマのトランクなどには収納できるので、積み込んでアウトドアに持ち出すのには重宝しそうな機構です。

↑ハンドルを畳んでから、フレームのロックを解除し、中央部から折り畳みます

 

↑タイヤが太いこともあって、横幅は結構ありますが、長さと高さが抑えられるのでクルマにも積み込めそう

 

見た目のインパクトに負けないパワフルなアシスト

太いタイヤに28.5kgという重量級の車体なので、走り出す前は“重そう”というイメージだったのですが、電源を入れてペダルを踏み込むと予想を上回る勢いで車体が加速します。太いブロックタイヤは抵抗が大きいはずですが、俊敏に加速できるのはそれだけアシストが強力だということでしょう。

↑重い車体と太いタイヤというイメージからはかけ離れた軽快な走りが味わえます

 

アシストモードは5段階に切り替えることができ、最も弱い「1」ではさすがにペダルが重く感じますが、中間の「3」でも十分にパワフル。最も強力な「5」だと、ちょっと加速し過ぎるように感じる場面もありました。ペダルを踏み込む力に合わせてアシストを自動で切り替えてくれるオートマチックモードも選べます。

 

登り坂も試してみましたが、パワフルなアシストでグイグイ登って行ける感覚。ペダルさえ回していれば、楽に登ることができます。

↑結構な角度がある坂道ですが、座ったままグイグイ登って行けます

 

未舗装路も少し走ってみましたが、太いタイヤでグリップが良いのに加えて、路面からの衝撃も吸収してくれるので、普通に走ることができます。マウンテンバイクのように山道を駆け抜けるようなモデルではありませんが、キャンプ場などの足代わりに使うのであれば十分な性能でしょう。

 

もう1つ、感心したのは初代モデルに比べるとアシストのスムーズさが増していたこと。まだ、e-Bike市場に参入したばかりの新参メーカーではありますが、細かなブラッシュアップをしながら進化していることが感じられました。今後の進化にも期待が持てるモデルです。

 

撮影/松川 忍

 

 

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