三菱電機 不正検査で柵山会長が引責辞任「心から責任痛感」
三菱電機は、鉄道向けの空調機器などで不正な検査を行っていた問題で、柵山正樹会長が責任を取り辞任したと発表しました。
この問題は、三菱電機の鉄道向けの機器を製造する工場で35年以上にわたり不正検査が行われ、他の工場でも不正な検査が相次いで発覚したものです。これを受け、柵山会長が一連の責任を取り、1日付けで辞任しました。
三菱電機 柵山正樹 前会長
「当社の重なる品質問題によって、お客様、関係者の皆様、社会の皆様に多大なるご心配、ご迷惑をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます」
柵山氏は1日、会見で「心から責任を痛感している」と陳謝した上で、不正が起きた最も大きな問題は「経営層と現場の断絶」だと述べました。
また、不正検査を調査していた調査委員会も、長崎県の工場と岐阜県の工場の不正に関する報告書を公表し、1日、会見を開きました。不正の原因については、▼工場単位で閉鎖的な組織風土が存在し、「品質的に問題がなければよい」と正当化が行われていたこと。▼本社と現場の間に距離があったことなどを指摘しました。
再発防止に向けては、品質に対する正しい考え方を徹底することや、従業員が安心して声を上げることができる企業風土を構築することを提言としてまとめました。
一方、三菱電機は1日付けで社長直結の品質を管理する部署を設置し、本社が主導で品質を保証する体制をつくり再発防止に努めるとしています。