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新型コロナ感染拡大防止を呼び掛ける国民向けのメッセージをまとめた、全国知事会の対策本部会議のオンライン会合=1日午後、東京都千代田区
Photo By 共同



 新型コロナウイルスの流行「第5波」が鮮明となり、全国知事会は1日、外出を厳しく制限するロックダウン(都市封鎖)のような手法の検討を含む国への緊急提言をまとめた。国民には夏休みの旅行や帰省の原則中止・延期を求めるメッセージを出した。埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県と大阪府は2日、緊急事態宣言の期間に入った。東京都と沖縄県は宣言期限を延長。北海道など5道府県にまん延防止等重点措置が適用された。31日まで。国内新規感染者は1日、4日連続で1万人を超えた。

 緊急提言は、各地で感染者が過去最多を記録し、重症者や病床使用率の増加が見られるとして、「感染爆発」と言っても過言ではない状況だと指摘。感染力の強いインド由来のデルタ株の抑え込みが急務とし、国民への行動変容を促す強いメッセージや若い世代への働き掛けを強めるべきだとした。菅義偉首相は7月30日の記者会見で「日本にロックダウンはなじまない」と述べていた。

 新規感染者は、東京都で3058人が確認され、茨城、千葉、埼玉各県では過去2番目に多かった。小池百合子都知事は「テレワークを徹底してほしい」と呼び掛けた。知事会は、やむを得ず都道府県境を越えて移動する場合、事前にPCR検査を受けるよう訴えた。

 宣言地域の6都府県は、酒類やカラオケ設備を提供する飲食店に休業を要請し、それ以外の飲食店は午後8時までの営業時間短縮を求める。

 田村憲久厚生労働相は1日のNHK番組で、宣言対象の全国への拡大について「感染が全国的に広がりつつあるのは確か。状況をみながらどう判断するかだ」と述べた。

 重点措置対象は北海道(札幌市)、石川県(金沢市)、京都府(京都市)、兵庫県(神戸市など15市町)、福岡県(福岡市など22市町村)。飲食店に酒類提供中止と午後8時までの時短などを要請する。政府の基本的対処方針では、感染が下落傾向であれば知事判断で規制を緩和できる。

 厚労省が7月30日に発表したデータによると、28日午前0時時点のコロナ感染による自宅療養者は1万8927人で、1週間前の1・8倍。病床使用率は、埼玉、東京、石川、沖縄の4都県で政府対策分科会が示すステージ4(爆発的感染拡大)の目安となる「50%以上」だった。

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