そう、このクルマは今から約66年前に生まれたクルマだ。1955年に、パリで、デビューした、シトロエンDS、”La Déesse”、ダブルアングルのオリンパスの自動車の女神は、今や66歳を迎えた。しかし、とてもそうは見えないほど今でも斬新だ。
あなたは「シトロエンDS」が好きだろうか?
おそらく、多くの自動車愛好家が好きだと思う。
わたしももちろんその一人だ。
チャンス(とお金)があれば、死ぬまでに一度手に入れて、楽しんでみたい1台だ。
「“Beauty is eyes of behold”(美とは観る人の目の中にある=何が美しいかはその人の主観による)」。
日本語的表現だと、「痘痕も靨?」、あるいは蓼食う虫も好きずき、だろうか。
まあ、その人の美意識や蘊蓄にもよるだろうが、自動車史上、「シトロエンDS」は、デザイン的にも、テクノロジー的にも画期的な1台であり、どのクルマよりも先進的であったことは、間違いない。
「DS」の持つユニークで斬新かつ画期的なデザイン。
クルマ少年たちの胸をときめかせた、ハイドロニューマティックサスペンション。
20世紀の自動車を賞した「カー オブ ザ センチュリー」でも堂々ベスト3に入った。
「シトロエンDS」はまさにシトロエンの生んだ世紀の名車だ。
「シトロエンDS」物語を写真とともにお楽しみください。
Text: AUTO BILD KLASSIK
加筆: 大林晃平
Photo: Goetz von Sternenfels / AUTO BILD, Sven Krieger, Werk