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 全国の新型コロナ感染者のうち入院できている「重症者」の数は、今月1日から一気に66人増え、またも過去最多を更新しました。

 一方、東京の新たな感染発表は2日、3099人。11日連続で前の週の同じ曜日を下回り、一見、ピークを越えたかにも見えますが、最新の感染状況を分析する2日のモニタリング会議では厳しい認識が示されました。

国立国際医療研究センター 大曲貴夫 医師
 「お盆休みによる人流減少の影響等を受けて、一時的に減少した可能性がある」

 現在の感染者の減少傾向は、お盆休みの影響による一時的な減少ではないかという指摘。

国立国際医療研究センター 大曲貴夫 医師
 「人流は急激に増加しています。新規陽性者が再び増加に転じることが危惧される」

 これは、東京の繁華街の夜の人出の増減を示したグラフ。お盆明け後の2週間で16.7パーセントも増えています。さらに・・・

国立国際医療研究センター 大曲貴夫 医師
 「医療提供体制の深刻な機能不全は改善しておりません。救える可能性のある命を救えない事態が続くと思う」

 機能不全が続く医療体制。都は2日、新たに全医療機関に要請していたコロナ病床の積み増しについても公表しました。

 2日、東京都のモニタリング会議では、新型コロナ患者が入院できる病床が150床増えたと報告されました。これで確保したとされる病床は6117床になりましたが、目標とする7000床には、まだ遠く及びません。

 子どものコロナ患者を受け入れている港区の病院。12あったコロナ用病床を今回の要請を受けて4つ増やすということですが、これが“限界”だといいます。

愛育病院小児科部長 浦島 崇 医師
 「コロナの、特にお子さんの入院の場合は、ご両親と別に、お子さんだけ入院されますので、対応は時間がかかるんですね。マンパワーを考えると、(看護師を)簡単に増やすのは難しい状況です。現状では、いまの(病床の)数が精一杯かなと思います」

 特に心配なのが、重症者用の病床です。現在、東京都が確保したという重症者用病床は465床。これに対して、重症者は291人と、まだ余裕があるように見えますが・・・

東京都医師会 猪口正孝 副会長
 「既に重症患者数の増加により、ICU等の人工呼吸器やECMOが使用できる病床が不足しており、事態はより深刻になってまいります」

 実は、都内だけで、間もなく人工呼吸器などが必要になる可能性が高い「重症患者に準ずる患者」が524人もいるというのです。こうした患者の一部は、すでに重症者病床で治療を受けていたり、間もなく重症者病床に移る必要性が出てきます。さらに、人工呼吸器やECMOが外れ、「重症者」にカウントされなくなっても不安定な状態が続く患者も115人。現在確保されたという「重症病床」465床では、十分とは言えないのです。さらなる病床の積み増しに向け、都が要請した場合、正当な理由なく従わない医療機関に対しては、「要請」を「勧告」に切り替えて医療機関名を公表することもできますが、小池都知事は・・・

小池百合子 都知事
 「今まさに、ご協力いただいている最中ということで、法律は法律で。そして、また、それらよく一つ一つの医療機関など見ながら、判断することになると思います」