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メキシコはメリダという小さい街にいる。
メキシコに来て本当によかった、と、夕暮れ時の生ぬるい風にあたりながらしみじみ感じる。特に何があるわけではない。何もないからこそ穏やかな気持ちになれるのかもしれない。

炎天下のなかハーフパンツを探して歩き回り、蚊に刺された肌が焼けていくのを実感することが一日の全てで、冷たい炭酸ジュースを飲むことができれば幸せ極まりない。

体感温度以上の寒さを感じていたヨーロッパで、旅の終わり方をずっと考えていた。このままでは終われないよなーと思い続けていて、そんな中でのメキシコ行きは、今思うと必然だったのかもしれない。

メキシコはマフィアが多くもう少し治安の悪いイメージだったけれど、まあここは地方都市ともあって平和。人は穏やかで親切、うざくもなく、冷たくもなく、とてもちょうどいい、素敵なところだ。驚いたのは意外と日本よりな顔つきの人が多いことだ。日本人でも、日焼けさえしていれば現地人に溶け込める人は多くいるだろう。僕はこれから焼ける予定だけど、いかんせん顔が薄いからそれは難しそうだけどね。旅をするとホリが欲しくなる。

カンペチェというこれまた小さな街に移動の今日。インドでも暑い中こんな感じでゆっくりしていたなと思い出す。でもここはご飯が美味しいし、セブンイレブンだってあるから、空腹に耐えることはない。メキシコシティーまで、できるだけゆっくり、じっくりまわりたい。

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