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新型コロナウイルスの流行「第5波」が鮮明となる中、全国知事会は1日、夏休み中の都道府県をまたいだ旅行や帰省を原則中止、または延期するよう求める国民向けのメッセージを出した。

 やむを得ず移動する場合には事前のPCR検査の活用などを求めたが、お盆休みの計画を見直す人も増えそうだ。新型コロナウイルスのワクチン接種を済ませた高齢者からは「今年も子供たちに会えないのか…」などと残念がる声が聞かれた。

兵庫県西宮市の無職女性(75)は7月はじめに2度目のワクチン接種を済ませた。昨夏は親戚一同の集まりを見送り、今年は東京に住む娘らも一緒に夕食を囲むことを楽しみにしていたという。「ワクチンを打てば、もっと自由に行動できるものだと思っていた。感染も広がっているし、今年も親戚の集まりはあきらめるかも」と話した。

また、次男が東京に単身赴任中という三重県南部の無職男性(73)は、知事会の要請について「東京や大阪では多くの感染者が出ており、夏休みに帰省されてもウイルスを広める可能性がある。知事会の要請は当然の話」と指摘。「孫の顔が見たい気持ちはあるが、若い人にワクチンが行き渡っていない状況で帰省はやめるべきだ。自分も含め高齢者はすでに2回接種している人が多いが、それでも感染しないとは言い切れない」と語った。

「都市部と違ってコミュニティーが狭いので、感染者が出るとすぐに噂が広まり、中傷なども受けやすい」とも話した。

知事会のメッセージや感染急拡大を受けて、帰省を見送る人が増えることも予想されるが、1日に2度目のワクチン接種を終えた大津市の会社員の女性(28)は、横浜市の実家にお盆に帰省する予定という。女性は、「帰省できるよう、実家の家族も含めて計画的にワクチンを接種した」と明かし、知事会の要請について「ワクチンを打っていない人は控えた方がいいかもしれないけど、接種済みなら構わないと思っている」と語った。