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映画「クレヨンしんちゃん」の29作目「映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』が、2021年7月30日(金)に公開される。エリート校の「私立天下統一カスカベ学園」に体験入学することになったしんのすけたちカスカベ防衛隊が、学生たちが“おバカ”にされてしまうという怪事件に巻き込まれ、その真相を突き止めようとするシリーズ初の本格(風)ミステリーだ。本作で学園内トップの秀才クラスに在籍するギャルのアゲハ役を演じているのが、ゲスト声優の仲里依紗さん。アフレコのエピソードや今作の見どころ、過去作品との思い出話なども交え、“しんちゃん愛”をたっぷりと語っていただきました!

 

◆大ファンを公言している『クレヨンしんちゃん』に出演、ギャル役も念願だったとのことで、二重の喜びですね!

そうなんです! 一石二鳥で夢がかないました!! しかも、今回の映画のお話は超エリートが集まる学園に体験入学するというもので、しんちゃんが学生服を着ているのはシリーズ史上初なんです。そこも私の中では“喜びポイント”が高くて。だって、ものすごくレアじゃないですか! いつもとは違う、一歩進んだ新しいしんちゃんの世界に入れて、一緒の時間を共有できたことが本当にうれしいです。

 

◆ギャルのアゲハ役についてはどのような役作りを?

「ネイルが〜!」とか「ツケマが〜!」といった話し方には、私がイメージするギャル像を投影させました(笑)。そうした中にも、学園でNo.2のエリートであるというのが垣間見えるように、さらっとそれらしいプライドも盛り込んで。ところどころにちょっとしたギャップが出るように、楽しみながら演じさせていただきました。ただ、思っていた以上にあっという間にアフレコが終わってしまったので、もっとやりたかったです。写真撮影用にギャルっぽい衣装も着させていただいたのですが、それももうちょっと楽しみたかったですね。言っていただければ私、ギャルの制服姿で宣伝のイベントとかに出ますよ(笑)。

 

◆(笑)。アフレコはお一人で行われたのでしょうか?

はい。でも、既にメーンキャストの皆さんが収録を終えていたので、それを聞きながらアフレコをすることができて。“私、しんちゃんたちとしゃべってる!”と、興奮しました。事前に練習用として、ラフスケッチのような画にキャストの皆さんの声だけが入っている仮映像も頂いたんです。制作途中の映像が見られたことも、作品ファンとしては幸せでした。

 

◆仲さんが感じる、今回の映画の見どころは?

一番はやはり、しんちゃんたちが怪事件の原因である正体不明の「吸ケツ鬼」の謎を解いていくミステリー要素。これまでのシリーズとは違う雰囲気を感じていただけると思います。また、今回は学園内の物語がメーンとなっているので、野原家の家族シーンがあまり多くはないのですが、それでも、みさえやひろしたちによる胸を打たれる場面が多くて。個人的には、少しの間だけなのに、学園へ体験入学に行くしんちゃんを見送る時のみさえが感動的でしたね。当たり前なのですが、“やっぱりお母さんなんだなぁ”と思わせられて。それに、ネタバレになるので詳しくは言えないのですが、クライマックスのシーンで、みさえとひろしは学園内で何が起きているのか知らないのに、一生懸命になっているしんちゃんを見て「とにかく頑張れ!」と応援するんです。2人とも、子供たちには子供たちの世界があるんだと分かっているし、息子が必死になっている姿を見れば、理由なんて関係なく応援する。本当にすてきな親であり、大人だなと思いましたね。

 

◆映画を見るのがますます楽しみになりました。そもそも仲さんが『クレヨンしんちゃん』を見始めたのは、いつごろからだったのでしょう?

小さいころからです。当時はネネちゃんの“なぐられウサギ”が怖くて。その一方で、“あのウサギのぬいぐるみは、果たして何代目なんだろう?”と子供心に不思議に思っていました(笑)。テレビで放送された劇場版も録画して、何度も見返していました。

 

◆劇場版シリーズで特に好きな作品は?

最近だと「~新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜」(2019年)と、「~襲来!!宇宙人シリリ」(2017年)。「~ハリケーン」はみさえのせりふがとてもすてきで。「~シリリ」は純粋に感動して泣きました。もっとさかのぼると、「~爆発!温泉わくわく大決戦」(1999年)。劇中に歌が出てくるのですが、それが不気味でちょっと怖かったのを覚えてます(笑)。他にもたくさん好きな作品があって、挙げ出したら切りがないです。

 

◆仲さんの“しんちゃん愛”が感じられます(笑)。

劇場版って、どれもそうなのですが、“やっぱり家族っていいよね”と思えて心がほっこりする作品が多い気がして。そこが魅力だと思います。もちろん、通常のテレビ放送も大好きです。30分なので展開も早いですし、最後に餌をもらいそびれておなかを空かせたシロが「くぅ〜ん」ってかわいく鳴いて終わる、あのオチもいいですよね(笑)。

 

◆主人公であるしんちゃんの魅力は、どんなところに感じますか?

真剣におフザケしているところですね。しかも、全てをさらけ出して。そうした思いっ切り具合が気持ちいいじゃないですか(笑)。そんなしんちゃんの姿を見て育ったので、私も度胸がつきましたし、今の自分がいると言えます。そして何よりもしんちゃんはものすごく優しくて、心が温かい。今回の映画でも風間君たちとちょっとしたことでもめるシーンがあるのですが、その時にしんちゃんがみさえをかばうようなことを言うんです。かばっているようで、全然フォローにはなっていないんですけど(笑)。でも、しんちゃんの熱量や優しさがすごく感じられて。そうした、ふとした時に見せる優しさも私の“好きポイント”です。

 

◆大人になって、作品の見え方に変化はありましたか?

すごく変わりました。自分が子供だったころはしんちゃんと同じ目線で見ていましたけど、今はみさえやひろしの目線になっています。もちろん、しんちゃんにも感情移入しちゃうので、見え方・楽しみ方が倍に増えた感じですね。

 

◆みさえの目線で見ると、仲さんにとってしんちゃんはどんな子供ですか?

理想の息子像です!(笑)。しんちゃんって、実はものすごくしっかりしていますよね。おうちの中でどこに何があるのかを完璧に理解しているし、かかってきた電話を受けたり、宅配物を受け取ったりもできて。みさえがいなくても、1人でお留守番ができる。自分が親になってみて分かったのですが、5歳でお留守番ができるって本当にすごいです! そんな自立した5歳児を育てたみさえもすごいんですけどね(笑)。そうかと思えば、いつまでたってもおしりを出したり、アクション仮面ごっこをして遊んだり、怪獣シリマルダシのおもちゃを大事にしていたり。そんなところもかわいいなと思います。

 

◆仲さんのご家庭と似ているところはありますか?

“大人と子供が対等”というところは共通しているかもしれません。みさえもひろしも、親としてしっかりと子供たちを見守りつつも、1人の人間と言いますか、個々で楽しんでいるところがあるように感じられて。“子供だから”とか“親だから”とか、そういうのがないような気がします。私を育ててくれた家族もまさにそうでしたし、今の自分の家族もそうありたいなと思っています。

 

PROFILE

仲里依紗
●なか・りいさ…1989年10月18日生まれ。長崎県出身。B型。最近の出演作に、ドラマ『桜の塔』『恋する母たち』『美食探偵 明智五郎』、連続テレビ小説『エール』、映画「はるヲうるひと」など。ドラマ『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(TBS系)に出演中。

 

作品紹介

「映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」
2021年7月30日(金)より全国東宝系公開

 

<STAFF&CAST>
原作:臼井儀人
監督:髙橋渉
脚本:うえのきみこ
声の出演:小林由美子、ならはしみき、森川智之、こおろぎさとみ ほか
声の特別出演:仲里依紗、フワちゃん、チョコレートプラネット

 

<STORY>
体験入学で優秀な成績を収め、“天カス学園”に入学することをひそかに夢見ていた風間君。しかし、しんのすけはそんな思いを全く知らずに風間君の足を引っ張るばかり。我慢の限界を超えた風間君は大げんかの末に「おまえとは絶交だ!」と飛び出してしまう! 心配になり捜しに出たしんのすけたちは、壊れた時計塔の中で倒れている風間君を発見! そのおしりには奇妙なかみ跡が…。翌朝、目を覚ました風間君は何と! 究極のおバカに変貌していた!! 学園では正体不明の「吸ケツ鬼」に襲われた生徒が突如おバカになる怪事件が多発していたのだ!「カスカベ探偵倶楽部」をケッ成し、事件の真相に迫るしんのすけたち。迷推理の先に見つけたものとは!? そして、ケツ裂したままのしんのすけと風間君の友情の行方は!?

 

©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2021

●photo/金井尭子 text/倉田モトキ