東京五輪の選手村での騒動が立て続いている。陸上女子200メートル予選に出場予定だったベラルーシ代表のクリスツィナ・ツィマノウスカヤ(24)は意思に反して羽田空港に連れて行かれた後、出国を拒否。一部報道によると自国の五輪関係者を批判し、帰国するよう圧力をかけられたとされている。国際オリンピック委員会(IOC)のマーク・アダムス広報部長は2日の定例会見で「彼女は保護下にある。大会組織委が同行し、安全であることも確認できている。彼女のケアをしていきたい」と話した。
一方、組織委の高谷正哲スポークスパーソンは「昨晩、羽田空港で本人が保護を求められた。組織委の職員も当然、出国対応等で空港におり、選手の求めに応じてサポートを行った。関係者の協力を得て本人は安全な状況に置かれている」と説明。また、組織委としては「空港で保護を求められた時に知ることになった」として、選手村から空港への移動手段については「詳細については私たちは認識がありません」と話している。
31日にはジョージアの柔道選手2人が観光目的で選手村から外出。大会関係者は参加資格証を剥奪(はくだつ)するなど、選手村での騒動が立て続いている。予期せぬ?脱走?について、高谷氏は「基本的には選手および関係者の移動は、選手向け専用車両で試合会場、練習会場にしか行けない。用務先に登録されている箇所であれば、それぞれのNOC(各国・地域のオリンピック委員会)の責任において移動が可能」と前提を示した上で「そういったところへの外出を装って(選手村を)出ようと思えば出られる状況はある」と実情を明かす。今回の案件に関しては「組織委として把握しているが、すでに処分を確定している事案なので詳細は割愛させていただきたい」と明言を避けている。
これらを踏まえた上で高谷氏は「我々も各NOCに対して厳しくプレーブック(規則集)の順守をお願いしている。間違っても観光目的でいろんなところを回ったりすることがないようお願いしている」と話した。