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尾身茂氏(コロナ専門家有志の会のブログより)

 新型コロナウイルス感染症対策のための情報発信に取り組む「コロナ専門家有志の会」は9月1日、SNSでユーザーからのコメント募集を開始した。ハッシュタグ「#ねえねえ尾身さん」を使い、感染症対策のアイデアや体験談の投稿を呼び掛けている。

 同会のブログで9月1日に「皆さんの声を聞かせてください。皆さんの力を貸してください。」という記事を投稿。内閣府の新型インフルエンザ等対策有識者会議会長でもある尾身茂氏の写真とともに、読者に語り掛けた。

 「有志の会の尾身です。」で始まるこの記事では、感染力の高いデルタ株の影響により急激に感染が広まって深刻な状況にあること、ワクチンが希望者に行きわたり、治療薬が普及するまでにはまだ時間がかかるため、まだしばらくは基本的な感染防止策を続けなければならないことが説明されている。

 そのような中、感染防止に関する考え方の違いから分断を生む原因になっている面もあるのではないかとし、「考え方の違いを乗り越えて、様々な知恵やアイディア、工夫が蓄積されているのではないかとも思います」と、読者の声を聞かせてほしいと求めた。「私が知りたいこと」として、次のような項目が例示されている。

  • マスクの種類をどう選んでいる?
  • マスクをつけてくれない顧客に対して、失礼のない注意の仕方は?
  • あなたの学校や職場のコロナ対策でとてもよかったことは?
  • テレワークに理解のない職場、感染経験者の職場復帰を拒む職場をどう変えた?
  • 家族や大切な人と「コロナ観」が違う悩みをどう乗り越えた?

 この取り組みでは、政府や自治体、専門家などの視点とは異なる、より多くの人にとって共感しやすいリアルな声や、生活に根ざした工夫を取り入れ、共有していくことを目指すものとみられる。

 Twitterの「#ねえねえ尾身さん」ハッシュタグでは批判的なコメントもあるが、「学校で行事や給食の時間に我慢してもらう代わりに、少し校則をゆるめた」「行きつけの美容院の経営者に、スタッフに不織布マスクをするよう呼び掛けてほしいと話したところ『自分も気になっていた。お客様の声ということで皆に伝えやすいので助かります』と言われた」などの声が寄せられている。

 なお、同記事では、尾身茂氏のInstagramアカウントを設けてメッセージを発信すること、ライブ配信にも挑戦することも発表。有志の会メンバーらの力も借りつつ、寄せられた声に応えていきたいと述べられている。