福岡県中間市の私立双葉保育園に通う倉掛冬生(とうま)ちゃん(5)が送迎バスに取り残され熱中症で死亡した事故で、園がバス運行時の安全対策マニュアルを作成していなかったことが2日、県と市が合同で行った特別監査で分かった。
特別監査は、児童福祉法などに基づいて実施した。バスを運転していた園長を含む保育士、看護師ら二十数人が聴取の対象。園児の送迎方法や点呼について事実確認を行い、バスの運行状況や管理体制に問題がなかったか調べた。
市によると、園長が1人で送迎していたバスでは、毎朝提出される体調管理カードを保護者から直接受け取らず、園児のバッグに入れてもらっていた。カードは出欠管理にも使うことになっていたが、実際には園児の体調に変化があるなど必要なときだけに取り出し、出欠管理には使われていなかったことも判明した。
バスは2台あり、1台は園長1人で乗車することが常態化。もう1台のバスは付き添いの職員が乗車し、カードを受け取らないと乗れない運用になっていた。
園は事故当日、園児の点呼や冬生ちゃんの家族への出欠確認をしていなかったが、担任は冬生ちゃんは欠席と認識していた。
県警は8月1日、業務上過失致死容疑で園を家宅捜索した。
(菊地俊哉)