『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』(ダイパリメイク)及び『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール・プラチナ』にて、「ギンガ団」を率いて新世界の創造を企んだ「アカギ」。彼は人の心や感情を不完全なものだと忌み嫌い、そのものを消し去ることが最終的な目的でした。
その背景には、過去の深いトラウマがあった模様。そしてそのカギを握っているのは、「ロトム」なのだとか…。
アカギの過去
「ナギサシティ」にある民家の老夫婦によると、幼少期のアカギは同地に住んでいたようです。勉学は優秀だったそうですが、その一方で誰とも付き合わず、機械とばかり戯れていたと老夫婦は振り返っていました。
また「プラチナ」で「228ばんどうろ」にある民家を訪れると、老人が気がかりな話を聞かせてくれます。彼には孫がいるらしく、その孫は親の期待に応えることに疲れ、機械ばかり弄っていたのだとか。
機械いじりをしていたという共通点などから察するに、彼の孫とはアカギのことでしょう。よって、アカギは幼少期の境遇が原因で心や感情に対する歪んだ思想を形成してしまったのだと思われます。
ただ、そんなアカギにも心を許せる存在がいたようです。
ある少年とロトムの物語
『ダイパリメイク』にて、「もりのようかん」での「ロトム」戦後に入手できる「ひみつのカギ」。これを「ギンガハクタイビル」の“ある場所”で使うと、隠し部屋に入ることができます。
そこには、「電子レンジ・扇風機・冷蔵庫・洗濯機・芝刈り機」が意味ありげに置かれていました。これはロトムのフォルムチェンジに必要な物で、どれか一つを調べると「ロトムのカタログ」が手に入ります。また、隠し部屋には2冊の読み物があり、そのうち1つは“ある少年”とロトムにまつわる日記でした。
日記には、少年がある日突然モーターから飛び出たポケモンに出会ったこと、そのポケモンをロトムと名付けたことが綴られています。そして、ロトムの機械に入り込む特性に称賛の言葉を送っていました。おそらく機械を触るのが好きだったのでしょう。
また、少年にとってロトムは唯一の友人だったようです。ひょんなことから一度は別れてしまったそうですが、のちに再会を果たしており、「僕たちはずっと一緒…」という決意の言葉で日記は締めくくられていました。
なお、その場に現れたナナカマド博士の話によると、後にロトムは行方不明になってしまったそうです。もしそれが真実だとしたら、少年の悲しみは計り知れないでしょう…。
少年=アカギ?
さて、この少年ですが、ファンの間でしばしば「アカギなのでは…?」と噂されているようです。確かに、機械いじりが好きだったり、友達がいなかったりと共通点は多く見られますね。また、『ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン』にて「レインボーロケット団」の一員として現れた際には、主人公の持つ「ロトムずかん」に対して意味深な発言をしていました。
ここから先は想像でしかありませんが、アカギはロトムとの別れによって世界に絶望してしまい、そこから人の心や感情に憎悪を燃やすようになったのではないでしょうか。少年時代のトラウマは、その後の人格形成に多大な影響を及ぼしてしまうもの。もしロトムがアカギのそばに居続けてくれたら、あんな事件は起こさなかったのかもしれません…。
キャラクターの過去については、あまり明確に語られることのないポケモンシリーズ。しかしその一方で、実はゲーム内に様々なヒントが隠されているのですね。