随分日が経ってしまった。
実は今パリにきているんだけど、パリに来る前に書いておこうと思っていたのをすっかり忘れてしまった。ここ数日、荷造りやら人と会ったりやらで若干忙しかったから。
去る6月21日。一年で最も日が長い夏至の晩。フランス中の街で la Féte de la Musiqueというのが開催される。直訳すれば「音楽祭」だけど、街中でミュージシャンが歌ったりパフォーマンスをしたりする。
テレビでも、僕は見てないけど、どこかの古い野外劇場でコンサートがあったらしい。僕の好きな何人かのフランスのアーティストたちも登場していたらしく、テレビを持っていたら是非見たかった。
当然リールでもFéte de la Musiqueは行われていた。
昼間は突然大雨が降ったりとなかなか激しい天気だったんだけど、夕暮れ時にはこの通り綺麗に晴れて、夕焼けが美しかった。「夕暮れ時」と言ってもこの写真を撮った時点で既に10時半を過ぎていた。
「(日本に比べて)高緯度」「サマータイム」「夏至」の三拍子そろってこの明るさ。サマータイムでなかったとしても、これが9時半だと考えれば日本でのサマータイム導入なんて全然意味ないんじゃないかと思える。9時でこの明るさなんて、日本ではあり得ない。
この通りも普段はこんなにひと通りが多いわけではないのに、この時間にこの人出というのは少し驚きだ。
みんな外に出て、あちこちで行われてる代償の生ライブを見に行くらしい。ビール片手に。
大統領選の時にも思ったけど、フランス人たちは何かと理由をつけてとにかく騒ぎたいだけなんじゃないかと思える時がある。
例えばこれはうちの近所で毎晩一番盛り上がっているバー(クルクル回る照明とか激しいし、中でみんな激しく踊ってる(ΦωΦ;))だけど、この日は外にスピーカーを出してズンズンいわせながら2階に立ったお兄さんがバーのグッズ(バーの名前入りTシャツとかキャップとか、何故か変装用のカツラとかそういうの)を投げ落とすのを、下で踊ってる人たちがキャッチする、みたいな遊び(?)をしていた。
僕は何しろ人混みが大の苦手で、初めて東京にきた時にはあまりの人の多さに吐き気がした程だけど、ここにもほんの数分しかいられず、そそくさと退散。
一旦家に帰ったりしながら、少し街の中を歩いてみた。
広場にもものすごく沢山の人が来ていた。特に広場で催しがあると言う訳ではないけど、普段ならこの時間には閉まっているレストランやブラスリーも満席だった。
みんなビール片手に、家族連れやら恋人同士やら友達同士で、一番長い夕暮れを楽しんでるようだった。
広場近くのブラスリーが立ち並ぶ通りもこの人出。まるで土曜日の午後みたいだ。(日曜日はどこも閉まってるので人は少ない。セールの時期になった先週辺りからは、平日でも賑わいがすごい事になっている。みんないつ仕事してるんだろう?って、そんな事聞いちゃいけないか(^_^;))
日もとっぷり暮れて11時過ぎ。
1年で一番短い夜がようやく始まる。
フランス人がパーティー好きなのはよく分かるけど、冬には夕方の4時頃には真っ暗になってしまう事を思えば、昼が一番長い夏至の夜にテンションが上がって騒ぎたくなるのも分かる気がする。
日本にいてさえ、僕は夏至の時期のいつもより遅い夕暮れが好きだ。これ以降、徐々に日が短くなってしまうのかと思うと少し寂しくなる(秋分を過ぎるともう世界が終わったような気持ちになるww)
フランス人にしてみたら、夏はこれから、なんだろうな。
バカンスはすぐそこ。