Googleの最新OS、Android 12。
今のところ、致命的というほどの不具合報告はなく、少なくともPixelに関しては比較的スムーズなOSアップデートになったという印象です。
しかし今回、XDAがこのAndroid 12で新たに導入されたバックグラウンドアプリの制限について「パワーユーザーにとって大きな頭痛の種になるかもしれない」問題として紹介していました。
同サイトによると、Android 12ではユーザーの目には見えない大きな変更点としてかなり積極的なバックグラウンドプロセスキラーが導入されている、とのこと。
このプロセスキラーは主に2つあり、1つ目の制限は、バックグラウンドでCPUを大量に消費するアプリの子プロセスは、親プロセスがバックグラウンドにある場合は強制終了される、というもの。
そして2つ目の制限は、常にアクティブでいられる子プロセスの数の制限。
技術的な説明は置いておいて(決して私が理解できないからではありません!(震え声))、要はAndroid 12ではAndroid 11以前と比べてバックグラウンドアプリのキルプロセスが大幅にアグレッシブになり、以前はバックグラウンドでの動作が許可されていたアプリのプロセスも強制終了されることが多くなった、ということ。
バックグラウンドプロセスのキルは一般的にはCPU負荷の軽減や、メモリの開放、バッテリー消費を抑えるといった点で「良い事」「必要」とされています。
一方で、過剰なバックグラウンドプロセスの終了は必要な動作を妨げたりといった問題の原因になるとも言われており、アプリの再起動に余計な電力を消費するため電池持ちに逆効果という話も聞きます。
Xiaomi以上の厳しいバックグラウンドプロセス管理
さらに興味深いのは以下の記述:
興味深いことに、Android 11を搭載したXiaomi 11T Proで同じテストを行ったところ、Xiaomi端末はバックグラウンドアプリの制限で有名ですが、その構成ではこの動作は存在しないことが確認されました。これは奇しくも、あらゆるAndroidスマートフォンで導入されているバックグラウンドアプリの管理ポリシーの中でも、回避する方法がないほど厳しいものとなっています。Xiaomi端末やOnePlus端末であっても、そのほとんどを無効にすることが可能であり、人によってはそれらの端末のバッテリー最適化をすべて無効にすることで十分に満足することができます。それに対して、ファントムプロセスキラーは、無効にすることすらできません。
要は、Android 12のバックグラウンドプロセスのキルはXiaomiなどバックグラウンドアプリの監視ポリシーが厳しいメーカーよりもさらに厳しい、ということ。
そもそもXiaomi製スマートフォンのファームウェアが他社製と比べてタスクキルがアグレッシブ、ということすら私は知りませんでした。
ただ、そういわれてみるとXiaomiのスマートフォンではLINEの通知がこない、といったバックグラウンドアプリの制限が関連していそうなトラブルの報告が多い、という印象は受けます。
となると、Android 12ではAndroid 11にも増してこの手の「通知が来ない」系問題が多発しそうな気もします。
また、Android 12ではこれらの「ファントムプロセスキラー」を無効にする方法はない、とのことなので、仮にバックグラウンドアプリの過剰なキルが原因の動作異常などがあってもユーザー側でできる対処法がない、ということに。
これについては潜在的に大きな問題になるような気もします。
ソース: XDA