東京五輪の表彰式で中国選手が?毛沢東バッジ?を付けて世界に波紋が広がっている。
自転車女子チームスプリントで金メダルを獲得した中国の鮑珊菊と鍾天使が表彰式で、建国の指導者として知られる毛沢東のバッジを着用。政治、宗教、人種などの宣伝活動を禁じる五輪憲章に違反する可能性があり、国際オリンピック委員会(IOC)のアダムス広報部長は「われわれは中国オリンピック委員会と接触して、この問題に対する報告を要請した。調査している」と語り、IOCも調査に乗り出した。
今回の騒動は世界各国でも大々的に報じられているが、中でも敏感に反応したのがインドのメディアだ。
「OPインディア」は「中国の金メダリストが五輪の表彰台で毛沢東バッジを着用した」と報じたうえで、毛沢東の経歴などを詳細に特集。そのなかで毛を「中国の大量殺りく者」と過激な表現で糾弾。「毛は中国全土で1000の強制労働収容所を運営し、約5000万人が収容され、そのうち2000万人が非人道的な生活条件と長時間労働のため亡くなった。冷酷な指導者だ」と猛批判を展開した。
こうした過激な報道の背景には、対立が激化する中国とインドの関係がある。両国は軍事衝突を繰り返しており、6月にはインドが中国との国境付近に5万人を増兵したと海外メディアで報じられたばかり。緊張感は高まっており、インドによる中国への批判的な報道につながったようだ。
毛沢東バッジ問題は大きな火種となりそうだ。