自律搬送ロボットの設計、開発を手がける匠は2021年5月31日、WMパートナーズとマーキュリアインベストメントから第三者割当増資で4億円を調達した。同社は2015年3月に福岡で「人々の豊かな生活のためのロボット活用」を目指して設立。自立型自動搬送ロボットの開発を手がけており、主に物流業界などにおける自動化、効率化を推進している。今回の資金調達で、新技術の開発を強化するとともに、より多くの顧客ニーズに対応した新製品開発を進めていくという。
同社は、搬送ロボットの企画から設計・開発、製造、アフターメンテナンスまでを一貫して提案するメーカーだ。代表取締役社長の後藤元晴氏自身、物流エンジニアリング事業を営む会社の経験があり、役員にも磁気誘導AGVメーカー経営経験のあるメンバーを配置。通常、ロボット導入には既存施設やシステムへの大幅改修をともなうことが多いが、匠では高いカスタマイズ性により1台からの試験導入にも対応可能であることを強みにしているという。
同社では、床面に碁盤目状に敷設した2次元コード読み取りで自動移動するGRID式、レーザセンスで壁や柱などを認識し地図情報と重ねながら移動するSLAM式の両タイプの開発に対応している。
さらに新型コロナウイルス感染拡大にともなう除菌ニーズの高まりには、オゾンを利用した自走式除菌ロボット「タクミクリン」を新規に開発。問い合わせは多く、福岡県宗像市役所への導入も決定している。
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