読者の通帳を見ながら、コラムニスト兼ファイナンシャルプランナーの西山美紀さんがマネーセンスの磨きかたを指南するOggi本誌の人気連載。今回は、通信販売会社経営 M子さん35歳の通帳を紹介。
通信販売会社経営 M子さん(35歳)の場合
M子さんDATA
職歴:生活用品を扱う通信販売会社を仲間と立ち上げて11年目。会社役員。
手取り給与:約87万円
住まい:神奈川県の分譲マンションでひとり住まい(猫3匹と)
預金総額
普通預金:約40万円
普通預金:約400万円
投資信託など:約500万円
TOTAL:約940万円
M子さんの通帳は、こんな感じ!
1|クレジットカード払い
通常月は猫関連の出費や服・コスメ、通信費などで30万円台だが、この月は15万円の本棚、パーソナルジム代3ヶ月分10万円の出費が加わって高額支払いに。
2|LINE Pay入金
起業した当時に始め、老後資金として月10万円を定期に入れてきたが、昨年8.5万円に減額。理由は、猫の医療費やエサの出費が増えて余裕がなくなったため。
3|給料
創業時からの役員で、報酬は会社業績に応じて年1回見直し。ここ数年は売り上げ好調で、前年比で年収100万円アップ。現在の年収は1400万円(税引き前)。
経営者目線で考える未来のお金と老後
「最近は在宅ワークが90%。大好きなマイホームで愛猫を膝に乗せてパソコンに向かいながら、ネット通販の会社でよかったと日々感じてます。外出するのは、スーパーの買い物と猫の病院、そしてときどき会社。体重が増えたので、10万円で3ヶ月間のパーソナルトレーニングを申し込みましたが、オンラインでの自宅受講は猫がジャレてきて、できず…」
会社は順調だし、マンションのローンも残りわずか。投資信託も順調で、預金総額はもうすぐ1000万円。でも、いつも頭にあるのは先々のこと。シングルの老後はもちろん「猫が健康でいられるか。社員やその家族は幸せか」。何かあったら自分のお金を投げ出しても、周囲のために捧げる覚悟もある。そう考えるとき、経営者としてようやく一人前になった自分に少しうれしくなるM子さんだ。
西山美紀さんが指南! マネーセンスを磨くアドバイス
貯蓄も住まいも順調。あとは楽しく働こう
収入が多いと「すぐお給料が入る」と、貯蓄をあと回しにしがち。でもM子さんは定期預金や投資信託、確定拠出年金で月に15万円以上も積み立て、計画的に増やしていますね。猫ちゃんとの暮らしで、心身も充実していると思います。
シングルの方は、仕事引退後の住まいが気になるところですが、ローン完済の目途がたっていて安心ですね。ずっと賃貸でいく方は家賃10万円×12ヶ月×10年でも合計1200万円になるので、分多めに貯蓄を。
ただ、経営者やフリーランスの方は、歳以降でも収入を得られるのが強み。仮に年収300万円なら10年で3000万円と大きな金額になりますから。体力と気力を保ちつつ、好きな仕事を続けましょう。シングルなら人間関係も大切ですが、心配りをされるM子さんなら、そこは大丈夫ですね!
2021年Oggi3月号「お金に困らない女になる!」より
文/南 ゆかり、西山美紀 デザイン/マミアナグラフィックス 構成/宮田典子(HATSU)
再構成/Oggi.jp編集部
TOP画像/(c)Shutterstock.com