
福岡県太宰府市で2019年、主婦の高畑(こうはた)瑠美さん(当時36歳)を暴行して死亡させたなどとして、傷害致死罪などに問われた山本美幸(42)、岸颯(つばさ)(26)両被告の控訴審判決で、福岡高裁は3日、両被告と検察側双方の控訴を棄却した。根本渉裁判長は、山本被告に懲役22年、岸被告に懲役15年とした1審・福岡地裁の裁判員裁判判決(21年3月)を「不合理な点はない」と支持した。
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判決によると、両被告は共謀して19年9月下旬〜10月20日ごろ、太宰府市の自宅などで、同居していた高畑さんの太ももをナイフや割り箸で刺したり、木刀で繰り返し殴打したりして死亡させた。
控訴審で両被告は「1審判決には事実誤認がある」などと主張したが、根本裁判長は、両被告が「金銭目的で借金や暴力を背景に被害者を肉体的、精神的に痛めつけ、その意思と人としての尊厳を破壊し、暴力を重ねて虐待し死亡させた」と認定。岸被告は山本被告の意を酌んで高畑さんに激しい暴行を加えたとした。
山本被告は量刑不当も訴えていたが、根本裁判長は山本被告が高畑さん含む5人に対し計489万円に及ぶ6件の恐喝罪にも問われていることを指摘し、1審判決が「重すぎるとは言えない」と判断した。
一方、両被告は車で高畑さんを運んだ行為が死体遺棄罪に問われたが、根本裁判長は両被告が最終的に119番したことも踏まえ、無罪とした1審を支持して検察側控訴を棄却した。
事件を巡っては、高畑さんの遺族が、事件前に佐賀県警に複数回相談したが被害届が受理されなかったとして県警の対応を批判している。また、21年9月に同県鳥栖市で起きた殺人事件では県警の発表が遅れ、地域住民に変死事案の発生がすぐ周知されなかったことが問題となった。
遺族は3日、判決の刑期が短く納得ができないとするコメントの中で「(県警が)いまだ組織として反省せず同じことを繰り返し残念でならない。瑠美の事件を教訓にするとしながらも、何も生かされていないことに憤りを感じている」とつづった。【平塚雄太】