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 戦争を悪として否定する戦後の日本社会で、しかし戦争や軍事に関わる情報を「趣味」とする人々は少なからず存在してきた。創刊70年以上の歴史を持つ老舗軍事月刊誌『丸』(潮書房光人新社発行)を分析した注目作『<趣味>としての戦争 戦記雑誌『丸』の文化史』(創元社)を刊行したメディア史研究者の佐藤彰宣・流通科学大専任講師(32)は、現在の兵器に主眼を置いた軍事マニア像が形成される過程をたどり、戦後日本での軍事の語られ方の変遷を読み解く。