もっと詳しく

“いま購入時に押さえておきたいキーワード”とともに、製品それぞれの魅力を紹介。今回は、吸引と水拭きを1台でこなすロボット掃除機に要注目。2台持ちよりも省スペースで導入できるうえ、昨今は単機能タイプと比べて遜色ないほどの高い走行技術を備えた製品もある。障害物の回避性能のほか、自動ゴミ収集機や見守り機能などの付加価値を見極めたい。

※こちらは「GetNavi」2021年9月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私がチェックしました!

GetNavi編集部 家電担当
青木宏彰

家電コーディネーター資格保持。菌・ウイルスまで対応する空気清浄機の信頼性を説く。

省スペースで設置できる2Wayタイプもバリエ豊富

家事負担の軽減ニーズから、ロボット掃除機は吸引タイプ/水拭きタイプともに着実に普及中。一方で、設置スペースがネックとなる場合は、“2Wayタイプ”という選択肢もアリだ。昨今はナビゲーション技術の向上が著しい。

 

DEEBOT T9+は、クルマの自動運転に用いられるセンサー技術で室内を高速マッピング。障害物回避性能も高く、コードがからむなどのトラブルはほぼ皆無。吸引力/水拭き性能も高く、自動ゴミ収集機が付属するなど充実の仕様だ。

 

Roborock S6 MaxVは障害物までの距離を三次元的に認識。スリッパやリモコンなどの障害物のギリギリまで接近して掃除する。また、本体カメラで撮影した室内の様子を外出先からスマホで確認できるのもメリットだ。

 

Eufy RoboVac L70 Hybridも高度なマッピング技術で部屋中を賢く掃除。カーペット上で吸引力を自動的にアップさせるなどの高機能を備えて5万円台という低価格が特筆モノだ。

【その1】自動ゴミ収集や芳香機能を備え高付加価値を実現

エコバックス

DEEBOT(ディーボット) T9+

実売価格12万9800円

3000Paの吸引力と、振動式水拭き機構を兼備。高精度な障害物識別機能で走行中のトラブルを大幅に軽減する。自動ゴミ収集機能を搭載し、掃除後のゴミ捨てが不要なのも便利だ。芳香カプセルをセットすれば、吸引部の清掃中に室内を爽やかな香りで満たす。

SPEC●吸引力:3000Pa●清掃モード:オート清掃・エリア清掃・カスタム清掃●乗り越え高さ:20mm(吸引+水拭き時は13mm)●音声操作:Googleアシスタント、Amazon Alexaに対応●サイズ/質量:φ353×H93.6mm/7.78kg

 

最長稼働時間:約175分

充電時間:約6.5時間

ダストボックス容量(ロボット本体):0.42l

マッピング技術:True Mapping2.0(D-ToF技術)

 

↑カメラと投射機を使って物体を3Dで検出。赤外線センサーの10倍もの識別精度で障害物を避けられる。電源コードなどもからまずに回避

 

↑水拭き時はモップユニットが毎分約480回振動しながら拭き掃除を行う。裸足で歩いたあとの床の皮脂汚れもしっかり拭き取ってくれる

 

↑光センサーが室内を360度サーチ。短時間でほぼ完璧にマッピングする

 

↑「エアフレッシュナー」に芳香カプセルを装着して爽快な香りを放出

 

【Impression】

吸引・水拭きにゴミ捨てまで安心して任せられる!

障害物回避とマッピングが優秀。吸引力が強く、猫砂も取り残しがなかった。水拭きはモップが本体後方にあるためテーブルの脚周りなどに届きにくいこともあったが(ほか2社も同様)、振動式は頼もしい。自動ゴミ収集機は最大2か月ゴミ捨て不要で助かる。メインブラシの毛がらみ処理は、付属のブラシで簡単に行える。

 

[5点満点で評価]

吸引性能:5.0/5.0

水拭き性能:4.5/5.0

走行性能:5.0/5.0

独自機能:5.0/5.0

お手入れのしやすさ4.5/5.0

 

【その2】2眼カメラで障害物を避け安定した圧力で水拭きを行う

ロボロック

Roborock S6 MaxV

実売価格8万5000円

2眼カメラで障害物までの距離を立体的に見極めて回避。2500Paの吸引清掃に加え、水拭きも常に一定の圧力でムラなく行う。水拭き禁止エリアを設定でき、拭き掃除中にカーペットが濡れるのを防止。掃除する部屋の順番もアプリで指定できる。

SPEC●吸引力:2500Pa●清掃モード:エリア掃除・目的地指定・スポット掃除・おやすみモード・カスタム清掃●乗り越え高さ:20mm●音声操作:Googleアシスタント、Amazon Alexaに対応●サイズ/質量:W353×H96.5×D350mm/約3.7kg

 

最長稼働時間:約180分

充電時間:約6時間

ダストボックス容量:0.46l

マッピング技術:LDSレーザーセンサー

 

↑本体カメラで留守中の自宅の見守り可能。出先から本体を遠隔操作して動かし、ペットの様子が見られる

 

↑物体までの距離を正確に計測し、障害物の際まで近づいて掃除。スリッパやケーブルなど障害物の種類も認識する

 

↑スタンピングするように水拭き。圧力ムラがなく均一に清掃できた。アプリで部屋ごとに好きな水量を設定可能だ

 

【Impression】

見守り機能や方言の音声案内などユニークな機能が満載

実際に使った印象では吸引力は十分。水拭きはゴシゴシ拭き取る振動式ではないが、汚れの除去性能は高い。障害物回避性能が優秀で、モノが多い部屋も円滑に掃除。留守中の見守り機能や音声案内を方言に変更できるギミックも斬新だ。メンテ面はブラシの毛絡みに加え、ゴミ捨て時にゴミがこぼれやすいことがあるので要注意。

 

[5点満点で評価]

吸引性能:4.5/5.0

水拭き性能:4.0/5.0

走行性能:5.0/5.0

独自機能:5.0/5.0

お手入れのしやすさ4.0/5.0

 

【その3】機能十分で5万円台を実現し2Wayタイプ入門に最適

アンカー・ジャパン

Eufy RoboVac L70 Hybrid

実売価格5万4800円

低価格ながらAIによる正確なマッピング、アプリによる侵入禁止エリア指定などに対応。モップモジュールを付ければ吸引&水拭き、外せば吸引のみと運転切替できる。電池が少なくなると自動で充電台に戻り、充電後に掃除を中断した位置から掃除再開。

SPEC●吸引力:2200Pa●清掃モード:自動モード・スポットモード・エリア指定モード・カスタム清掃●乗り越え高さ:18mm●音声操作:Amazon Alexaに対応●サイズ/質量:φ355×H105mm/約3.85kg

 

最長稼働時間:約150分

充電時間:約4〜5時間

ダストボックス容量:0.6l

マッピング技術:A.I Mapテクノロジー+iPathレーザー・ナビゲーション

 

↑独自のBoostIQテクノロジーを搭載。カーペットに乗り上げると自動で吸引力がアップするなど、床面の状態に合った吸引力で掃除する

 

↑専用モップを付けたモップモジュールを装着。飲み物などをこぼした汚れを拭き取るというより、日常の汚れを軽く拭き取るイメージだ

 

↑アプリで水拭き時の水量調節が可能。リビングは少なめなど3段階で水量を変えられる

 

【Impression】

全要素が及第点以上でこの価格なら購入の価値あり!

猫砂などの大きなゴミをわずかに取り逃がすこともあったが、吸引力はほぼ問題なし。ただし、マッピング技術が優秀である一方、障害物回避機能は非搭載なので、床をある程度片づけてから使いたい。BoostIQ機能でカーペットがよりきれいに掃除できるのはナイス。ダスト容器の開口部が幅広で、ゴミ捨てにはコツが要る。

 

[5点満点で評価]

吸引性能:4.0/5.0

水拭き性能:3.5/5.0

走行性能:4.0/5.0

独自機能:4.5/5.0

お手入れのしやすさ:4.0/5.0