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日本で見たことのない珍しい旧車4台の対決

これまた面白い。これらのクラシックステーションワゴンには、日常生活で十分な実用性がある。実用的であることは、新しい贅沢でもある。人気のクラシックなステーションワゴンの中からメルセデスS123、フォード ターニエ、ボルボ245、プジョー505SXの4台を比較。よくある不具合やクセとともにレポート。

70年代、80年代の頑丈なステーションワゴンほど、日常生活にフィットするクラシックカーはない。なぜなら、必要なスペース、快適性、信頼性を備えているからだ。
さっそく、それらを試してみよう。
ドアを開けると、4台の日常的なクラシックステーションワゴンが登場する。
これらのカーゴホーラーは、車内で一晩過ごすこともできる(特にフォードは約2メートルのカーゴスペースがある)。
ボルボ、メルセデス、プジョーは、スペースこそ少ないものの、サイドにウールのループカーペットを敷いたり、Cピラーを覆ったり、パイピングやエッジをより丁寧に仕上げたりして、トランクをより居心地の良いものにしている。

V6を搭載したフォード グラナダは機敏で、荷室は広々としている。

フォード グラナダ トーナメント2.3: 終わりのないスペース

「グラナダ」が日常的な使用に適しているのは、6気筒エンジンの場合だけだ。
小さな4気筒エンジンは、重いステーションワゴンでは負担が大きい。
重要: 内装がボロボロでもエンジンは動く。
念には念を入れて、走りの挙動を聞くだけではなく、圧縮を測ってみるといいだろう。
かつて流行した「マシンを完成させてスクラップにする」という方法は、今では物資不足のために失敗する。

V6によく見られるが、簡単に解決できる問題として、スパーギヤの摩耗がある。
摩耗すると「ガリガリ」という異音が発生。2.8iのK-JETRONICも消耗しやすい。
トランスミッションについては、4速マニュアルは非常に頑丈であると言われているが、より優れた5速トランスミッションもある。
3速オートマチックもトラブル発生が多く、長持ちしない。
フロントアクスルのブッシュは、ブレーキと同じくらい早く摩耗するが、どちらも低コストで交換できる。

錆の発生源

すべてが頑丈だとしたら、これまでの「グラナダ」はどこへ行ってしまったのだろう?
答えは「サビ」だ。
インナーフェンダーがないので、フロントはAピラーの根元から腐っている。
シルチップ、ステイプレート、エンジン下のサイドメンバーなども典型的な問題点であり、ジャッキマウント、ホイールアーチ、ドアエッジなどの「いつもの場所」にも目を向ける必要がある。
「グラナダ」では、デフの上のクロスメンバーに穴が開いているのが定番だ。
これは1972年から85年までのすべての年式に当てはまるもので、構造的には同じものだ。

ボルボは約20年間、「200」シリーズを製造していた。

ボルボ245: 小型トラック

ここでは、あなたはまっすぐに姿勢よく座っている – それは車の中でも態度を表現している。
このモデルは約20年にわたって製造された。
ボルボは、ミトンをはめたドライバーでも、すべてのコントロールを操作できるという約束を果たすために、この巨大なヒーターコントロール、トグルスイッチ、ミラー調整レバーを採用した。
ベロアのシート、しっかりとした素材選び、高いベルトラインなど、ボルボはメルセデスに迫るものがある。

ボルボの「200」シリーズは不滅だと言われている。
しかし、そうとは限らない。
まずはポジティブな面から。
それは、「B230F」と呼ばれる「レッドブロック」と呼ばれるエンジンに由来する。
鋳鉄製のブロックは、ずさんなオイル交換でカムシャフトの潤滑が滞らない限り、非常に高い走行距離に耐えることができる。
また、付属のタイミングベルトは、8万kmまたは6年ごとに交換する必要がある。
しかし、クラックがあってもエンジンにダメージを与える恐れはない。
エンジンはフリーホイーラーだ。
1976年以降に採用されたM45およびM46トランスミッション(オーバードライブ付き)は、メンテナンスさえすれば、ほぼ永久に使える。
一方、追加のハウジングに5速ギアを備えたM47は、より繊細である。
1986年に改良された後も、よりパワフルなモデルのパワーには限界があり、常に自然吸気エンジン用として使用されてきた。

ネガティブな面?

フロントガラスはブチルで接着されているため、夏場には外れてしまう。
また、水が浸入するとヒューズボックスが腐食し、さらにインナーシルと車両フロアの接続部も腐食する。
エンジンルームでは、バルクヘッドの上端とスプリングドームが錆びる。
テールゲートのストライクプレートは、テールゲートが錆びてシールがずれると、すぐにスカッフによりガタガタになってしまう。
また、トランクフロアからホイールウェルへの移行部では、内部にもサビが発生する。
サイドパネルの裏側も要チェック!
シル、ドアエッジ、ホイールアーチは必ずチェックしよう。

無傷のプジョー505は現在フランスでしか手に入らない。

プジョー505 SX: 軽快だが希少性も高い

最も大きいものは最も俊敏でもある。
「プジョー505 SX」はタイトなコーナーの王者であり、正確にステアリングを切ることができる。
しかし、派手さを求めるのであれば、「プジョー505」は間違った選択となる。
このフランス車には、高い実用性、そして何よりも現代的なハンドリングなど、他のモデルとは異なる資質が備わっており、今でも日常の頼れるパートナーとして活躍している。
安定したシャシーと頑丈な自然吸気エンジンの組み合わせにより、プジョーはアフリカの砂利道のような厳しい条件にも対応することができる。
しかし、そのためには妥協が必要となる。
セダンのリアアクスルは、ステーションワゴンに比べて近代的なものだが、摩耗しやすいと言われている。
かつてタルボのターボエンジンでは、シリンダーヘッドのガスケットが列をなして焼けることがあったが、これはスロットルに完全に耐えられないものだったからだ。

上位モデルに搭載されているいわゆる「ユーロV6」も、燃費が悪く、低回転でパワーが出にくいという悩ましいものだ。
最大8人乗りの「505」のデザイン性の高いボディは強みだが、工場での防錆対策が不十分だった。
その結果、ホイールアーチやドアエッジ、シルなどに早い段階で板金が錆びてしまう。
また、Aピラーの根元も要注意だ。
リアのアクスルマウントが錆びていないかも気になるところだ。

「505」の一般的な問題点は、どこにも相談窓口がないことだ。
アドバイスやサポートがなかなか得られないのだ。
インターネット上では、熱狂的な「505」ファンが、過去の車を漠然と知っているだけでなく、現在も乗っている同好の士を必死に(そして残念ながらしばしば無駄に)探している痕跡が残っている。
フランスの「505クラブ」の活動も、4年前に意欲的にスタートした後、再び眠りについている。

メルセデスは非常に高品質ではあるが、希少で高価でもある。

メルセデス・ベンツ200T: 高品質&高価

メルセデスは最もクラシックな外観を持っている。
丸みを帯びた形、クロームの宝石、そしてアッパークラスの品質は、購入のための強力な論拠となる。
1980年まで、エステートに搭載されていた4気筒のガソリンエンジンは、「M115」と呼ばれる旧い「230」のみだった。
特にパワーデリバリーと経済性の面で優れていたのは、クロスフローヘッドを備えた後期の「M-102」エンジンで、2リッター、109馬力のキャブレター付き「200T」バージョン(今回テストしたもの)と、136馬力の2.3リッターのフューエルインジェクション付き「230TE」として提供されていた。
「250T」のキャブレター付き6気筒は酔狂だと思われる。
185馬力のトップモデル「280TE」は高い。
ディーゼル?
メルセデスのコンプレッションイグニッションエンジンの伝説的な不滅性(例外:300TDターボディーゼル)は、キャブの音と控えめなパフォーマンスによって、魅力が相殺されている。

エンジンよりも重要なのは、エステートのボディワークの状態である。
モデルシリーズ全体の最大の弱点は、フロントエプロンからフェンダーへの移行部、つまりバンパーの下にある。
ここが錆びていると、バンパーの角の後ろにある補強板も影響を受けることが多いのだ。
エンジンルームでは、バッテリーやブレーキブースターの下にサビが隠れていることが多い。
ジャッキマウント、インナーシル、ホイールアーチも123の典型的な腐食源となっている。

リアサイドメンバーのホイールアーチへの移行部のサビは危険かつ高価で、進行すると全損に等しい。
ステーションワゴンでは、リアウィンドウの下枠、テールゲートの下端、サイドウィンドウの後角などにも早い段階でサビが発生する。
また、ルーフからハッチに移るところでケーブルやウインドウォッシャーのラインが切れてしまい、全長にわたって交換しなければならず、費用がかさむというのも「T」の典型的なクレームだ。

結論:
耐久テストがなくても、私たちは過去の日常的なヒーローを運転している。
しかし、フォード グラナダ トーナメントほど地に足のついたものはない。
1970年代から80年代にかけて最も実用的だった大型ツーリングステーションワゴンのひとつだ。
当時の最重要ライバルとの比較では、広さと6気筒という点だけが評価されている。
それでも、頑丈なボルボと同等の性能を持っている。
しかし、調和のとれたメルセデスや、完璧ではないが非常にバランスのとれた大型のプジョーにはほとんど及ばない。
魅力的なのは、この世代のステーションワゴンほどリラックスできるものはないということだ。
彼らは日常的な使用に耐えるだけの性能を持っている。
そして、乗るたびに旧車への情熱を呼び覚ますほど古い。

昔からステーションワゴンが大好きで、今もそれはかわらない。セダンよりもカジュアルでありながら、どんな場所でも使える実用性と性能を持つ存在、そういうなんでも使えそうなところが個人的には好きなのである。
今回の4台は、そんなステーションワゴンがまだ(特に日本では)珍しく、特別な存在であったころの4台である。この4台の中の、「S123メルセデス」がウン十年の間、我が家にはあったために、嫌というほど乗ることができたことは幸せな思い出であり、体験である。かなりの中古車としてやってきた、ターボのない「300TD」初期モデルではあったが、思い切りアンダーパワーで、思い切り頑丈で、そして重厚な車だった。その「S123」は、その後「S124(230TE)」に変わったが、その時にはあまりの変貌ぶりに驚いたものだった。
もちろん性能的に圧倒的に良かったのは「124」のほうではあったが、ひとつひとつのパーツの重みや、車全体が持つ厚さのようなものは、圧倒的に「123」のほうが上だった。今も名車と言われる「124」でさえ、なんだかコストダウンしちゃってるなぁ、と感じさせるほどに「123」はまごうかたなきメルセデス・ベンツだったといえる。
おそらく今回の4台は、どれもそんな4台なのだろう。「プジョー505」だって、現代の「508」には性能も、適正化の設計にも追い付かないかもしれないが、おそらく、厚く、重く、味が濃いのは「505」だろう。ボルボもフォードもきっと同じことが言え、あの頃はそういうそれぞれの車の独自性やキャラクターのエッジが立った時代だったのである。
今乗っていれば、どの車も性能的にはそこそこだろうし、所有するのにはそれなりの苦労が絶えないだろう。それでも、今あえてこの時代のステーションワゴンを選びたくなる気持ちはとてもよくわかるのである。

以下、約40枚のフォトギャラリー、お時間のある方はじっくりとエンジョイしてください。

フォード・グラナダ・トーナメント2.3

実用性の高いクラシックステーションワゴンの大比較テスト。現在のクラシック耐久試験機。フォード・グラナダ・トーナメント2.3(6気筒114馬力)。1977年、グラナダのラジエターグリルは風洞実験によって開発され、当時の新型フィエスタのような斜めのルーバーを持つようになった。そして、その5年後には、6本の細いルーバーが3本の広いルーバーになった。
フォード・グラナダもお買い得な時代は終わったといえる。今回出品されたのは、主にモーターや装備の状態が良いセダンだ。保存されていたり、メンテナンスされていたり、あるいはレストアされていたりすることが多い。
フォードは1972年3月からの13年間に3回のフェイスリフトを行っている。リヤエンドとヒップカーブがステーションワゴンのままだったので、この頃から前よりも後ろの方が老けて見えるようになっていた。試乗車は1982年の3度目のマイナーチェンジでグリルが粗くなっている。
初期の頃に比べて圧倒的な存在感を示しているのが、人気の高いトップモデルの「2.8i」だ。価格の差は非常に大きい。
ステーションワゴンにこだわるなら、じっくり探して、海外旅行も視野に入れるべき。走行可能だが腐っている状態では、4,000ユーロ(約54万円)弱からのスタートとなる。タコメーターではなく、あえてデカい時計がつくのがいかにも「当時」らしい。
この形状のドアハンドルは、風の抵抗を減らせるが、握りにくい。
後期グラナダには、力を分散させるミシュランのTRXタイヤを履くことが多い。試乗車のタイヤは従来のもの。
フォードではルーフの手すりや保護バーは当時オプション設定だったが、今回の比較対象のステーションワゴンはすべてそうだった。
リアシートを倒すと、横になって荷物を積めるスペースが2メートル近くある。フォードのエンジニアがホイールアーチを非常に小さくし、トランクの最も重要な部分に約1.50メートルの幅を残したこともあり、ここで一晩過ごすことも可能だ。このころのフォードは、内装の仕上げは、こんなもの。
2.0リッターと2.3リッターのエンジンでも6気筒であることから、グラナダはアッパーミドルクラスの選択肢となった。今の目からするとなんともシンプルなつくり。
内装の状態には期待しないほうがいい。もし、長く大切に愛用したいなら、全面交換をお勧めする。さすがにシート生地はすり切れたらしくカバーがかかった状態。
6気筒エンジンのおかげで、フォードはよりリラックスしていて、常に他の車よりも瞬発力がある。その代わり、インテリアには譲歩がある。質的には、特にボルボやメルセデスとの比較では、フォードは失望させられる。プラスチックパーツのべたつきが写真からも伝わってきそうだ。
コックピットのディスプレイは優れているが、スイッチ類はそうではない。ステアリングコラムのレバーでライトを点灯させることや、1982年以降のヒータースライダーは、ステアリングホイールの後ろのドライバーがアクセスしにくい。乾燥していて一部実用的でない配置のスイッチ、安っぽい表面、輪郭のないシートが妥協点だ。一切のオーディオなどが備わっていないことに注意。

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