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神戸5人殺傷事件、被告に無罪 「心神喪失状態にあった疑い」

 4年前、神戸市北区で祖父母など5人を殺傷したとして殺人などの罪に問われた男性に対し、神戸地裁は「心神喪失状態であった疑いが残る」として、無罪を言い渡しました。

 起訴状などによりますと、被告の男性は2017年7月、同居する祖父母と近所に住む女性の3人を包丁で刺すなどして殺害したほか、母親ら2人を殺害しようとした罪などに問われていました。

 これまでの裁判員裁判で男性は起訴内容を認めましたが、弁護側は当時、精神疾患による妄想や幻聴で犯行におよび、「心神喪失」の疑いがあるとして無罪を主張。一方、検察側は「心神耗弱」にとどまると主張し、無期懲役を求刑していました。

 神戸地裁は4日、「自分と知人以外が、人間の姿はしているが感情がない存在“哲学的ゾンビ”であるという妄想などの影響で犯行に及んだと考えられ、心神喪失状態であった疑いが残る」として、男性に無罪を言い渡しました。

【匿名切り替え】
 今回の判決では、被告の男性が犯行時、「心神喪失状態にあった疑いが残る」として無罪と認定されました。刑事責任能力が認められないとの判断が示されましたので、被告の名前を匿名に切り替えることにしました。