赤しそふりかけ「ゆかり」で知られる三島食品が、「青のり」の販売を再開しました。休売中には「あおのり」を販売していましたが、いったい何が違うのか? 背景には製造元としてのこだわりがありました。
【画像】もう一方の「あおのり」がこちら。パッケージ色も大きく違います。青のり裏面「感謝の言葉」も紹介
「青のり」と「あおのり」
11月1日から出荷を再開した「青のり」(内容量2.2g)。
国産のスジアオノリを使用していて、磯の香りと鮮やかな緑色が料理を引き立てます。
1971年発売のロングセラー商品でしたが近年、スジアオノリの主力産地である徳島県吉野川での収穫量が激減。
これに伴って、2020年6月30日出荷分をもって休売していました。
代替品として2020年7月から販売していたのが「あおのり」(内容量2.3g)。
パッケージは、「青のり」が青だったのに対して「あおのり」は緑で、内容量も0.1g多くなっていました。
原材料に違い
この2つの大きな違いは、使っている原材料です。
どちらも国産に変わりありませんが、「青のり」はスジアオノリ、「あおのり」はウスバアオノリとヒラアオノリ。
三島食品によると、香りやなめらかさでスジアオノリの方が優れていることから、あえて別な商品として販売することに。
原材料の調達価格も違うことから、希望小売価格は変えずに内容量を0.1g増やしたそうです。
このこだわりに対して、SNS上では「誠意とプライドを感じる」といった反応が寄せられていました。
裏面にはメッセージが
復活の背景には、陸上養殖によってスジアオノリを確保できたことがあります。
2015年から高知県室戸市で陸上養殖を始め、2020年からは広島県福山市でも開始。
漁師が収穫したものとブレンドすることで復活にこぎ着けました。
復活した「青のり」のパッケージ裏面には、こんなメッセージが書かれています。
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約束から丸一年、ただいま帰りました。
「青のり」がまた皆様に、お目にかかることができました。
今日を迎えられたのは、待っていてくださった皆様のおかげです。
陸上養殖とこれまでの全国各地でお世話になってきた海苔漁師さんの手で採られたスジアオノリをブレンドして、はじめて完成する三島の青のり。
更なる美味しさのためにこれからも探求を続けてまいります。
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広報担当者の新宅智彦さんは「青のりは日本の食文化の一つです。途絶えさせることなくつなぐことができてホッとしています」と話します。
「青のり」復活にともなって「あおのり」は10月末で製造を中止。順次、店頭で入れ替えが進んでいく予定です。