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theCutの共同創業者オビ・オミルJr.氏とクッシュ・パテル氏(画像クレジット:theCut)

理髪店の経営のバックエンドをテクノロジーで支えるTheCutが、新たに450万ドル(約4億9000万円)を調達した。

Nextgen Venture Partnersがこのラウンドをリードし、Elevate VenturesとSingh CapitalとLeadout Capitalが参加した。創業者のObi Omile Jr.(オビ・オミルJr.)氏によると、これで2016年創業以来の同社の調達総額は535万ドル(約5億9000万円)になる。

オミル氏とクッシュ・パテル氏が開発したこのモバイルアプリは、理髪店の情報やレビューをこれからお客になるかもしれない人たちに伝え、その一方で理髪店のためのバックエンド部分で予約やモバイルの決済、料金表示などを管理する。

「クッシュも僕も、散髪ではひどい目に遭っているから、良い床屋を見つけるためのアプリを作ろうと決めたんだ」とオミル氏はいう。「立派な床屋さんがいることは知ってるけど、それを見つける方法がない。Googleで検索しても、理髪師個人のことはわからない。theCutでは個人の理髪師を見つけられるし、自分の好みに合っているか、ひどい髪にされるおそれはないかなどもわかる」。

アプリは、理髪店用のアプリとしてはおそらく初めて、クライアントのリストを作り、ヘアスタイルの写真を保存し、来店履歴や支払い額を記録できる。決済機能により、売上アップにつながる今のトレンドに合った追加サービスをお薦めすることもできる。また顧客は、理髪師のプロフィールや、仕上がりの写真、格付け、レビュー、提供サービスの一覧そして料金を確認することができる。

オミル氏によると、米国には理髪師が40万から60万人ほどいて、激しく成長している市場の1つになっている。そこで今度新たに得た資金は、社員を増やし、マーケティングを強化して全国市場に対応していくことに当てたいという。

「今回はどうやら大当たりのようだし、業績も伸びているから、今のうちは雇用増進モードだ」とオミル氏は語る。

実際に、同社の理髪店からの売上は2016年の創業以来今日までで5億ドル(約548億6000万円)を突破、ユーザーは毎月10万以上増えている。このアプリ経由で行われる予約は1カ月平均で150万件だ。

次のステップとしてオミル氏が考えていいるのは、デジタルストアのような新しい機能を理髪店に提供することだ。またユーザーサイドでは、カードリーダーを利用してデジタルの決済ができるようにすることだ。それにまた、theCutの上で理髪店 / 理髪師と顧客が、個人的な関係を持てるようにしたいという。

「自分たちが作るソフトウェアによって理髪師を元気づけ、アプリを通じてその人の最高の真価が発揮できるようにしたい」とオミル氏はいう。「顧客との人間関係ができれば、新製品や新しい整髪体験のおすすめなどもできるようになる」。

今回の投資の一環として、Leadoutの創業者でマネージングディレクターのAli Rosenthal(アリ・ローゼンタール)氏が同社の取締役会に加わる。彼女によると、オミル氏とパテル氏は、ベンチャーキャピタリストがいつも探しているタイプの創業者だ。つまり、自らのマーケットの市場のエキスパートであり、データドリブンな技術の持ち主だ。

「彼らに会ったときには、資金などほとんどない状態ですでに成果を上げていた。彼らは元気活発なコミュニティを作っていたし、そのモダンなテクノロジー機能は、彼らの顧客のニーズにぴったり合っていた」とローゼンタール氏はいう。

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(文:Christine Hall、翻訳:Hiroshi Iwatani)