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数年前に買った金属筐体でスリムな8000mAh モバイルバッテリ 、満充電で使わずにおくと翌日にはいつも 放電 仕切った状態になるので、モバイルしたことあがありませんでした。今回分解してみて金属筐体ならではの不具合に行き当たったことから、 修理 を試みます。

分解検証

今回修理するモバイルバッテリは、ONPRO社のMB-OP80と言う製品で、今でも販売しているようです。

  • 品名 : ONPRO MB-OP80
  • 容量 : 8000mAh
  • 充電 : 5V 1A
  • 出力 : 5V 1A x1 / 2.1A x1

コンパクトながら8000mAhあり、金属筐体で少し重めですが安心感があったのですが、必要な時にいつも空っぽなので持ち歩くこともままなりません。

前回、膨らんだLiPo電池を交換したこともあり、今回もLiPo電池に問題があるようなら交換してしまおうと思い、まずは分解して中身を取り出しました。

図1.ONPRO MB-OP80分解

図1.ONPRO MB-OP80分解

アルミの筐体は筒状になっていて、アルミ板で蓋をする構造です。

図2.MB-OP80開口部拡大

図2.MB-OP80開口部拡大

取り出したLiPo電池は「356490」と表記のある、厚3.5mm、幅64mm、長90mmのセルが3枚並列に重ねてあり、セル当たり容量は2200mAhとあるので、合計6600mAhということになります。また、基板の裏面には塩ビ板が貼り付けてあり、金属筐体との絶縁を確保していました。

図3.取り出した基板とバッテリ

図3.取り出した基板とバッテリ

基板を観察するもショートや漏電の痕跡は目視出来なかったので、両面をエタノール洗浄しておきます。

図4.MB-OP80基板表裏

図4.MB-OP80基板表裏

筐体から中身を取り外した状態で、2日間放置してみました。今までなら放電しきってしまうのですが、バッテリレベルを示すLEDも満タン表示です。

図5.筐体から取り出すと満充電維持

図5.筐体から取り出すと満充電維持

中身を絶縁処理

バッテリセルの外観に異常は見受けられず、基板上にも怪しい痕跡もなく、そして筐体から出していると自然放電しないことから、金属筐体を媒体としての漏電を疑わざるを得ません。対策として、基板とセルをカプトンテープで覆ってみました。基板は時に高温になることも予測されるので、ホットメルトの使用は避けました。

図6.カプトンテープによる絶縁処理

図6.カプトンテープによる絶縁処理

動作確認後、筐体に戻します。開口部のアルミ板も心配でしたが、組付け後も自然放電は解消しています。

図7.MB-OP80組み付け

図7.MB-OP80組み付け

USB負荷による容量計測

組み上がったところで正常に使えるか、試しにUSB電子負荷LD35とUSB多機能テスタUM25Cを用いて、取り出せる電力量を測定してみました。今回もLD35に流れる電流を1Aとして、UM25Cを通過する電力を積算します。

図8.MB-OP80 出力電力測定

図8.MB-OP80 出力電力測定

UM25CとAndroidスマホをBluetoothで接続し、専用のアプリで計測終了まで監視した結果は次の通り。

  • 積算電流:2,225mAh
  • 積算電力:11.1W
図9.MB-OP80 出力電力測定結果

図9.MB-OP80 出力電力測定結果

中のセルは3.7V x 6,600mAh = 24.4Wですが、その半分にも満たない電力しか取り出せない結果に終わりました(計2回計測してみるも同じような結果に)。

 

投稿 一晩放置で空っぽになってしまうモバイルバッテリの修理Fun Scripting 2.0 に最初に表示されました。