山々に囲まれた広島県三次市では、4日朝、盆地全体が霧に覆われて海のように見える幻想的な「霧の海」が広がりました。
中国山地などの山々に囲まれた三次市は、江の川など3つの川が流れていて、秋になると、川から発生する水蒸気が冷やされ、大量の霧が発生します。
盆地全体を覆う霧を山の上から見下ろすと、周囲の山々が海に浮かぶ島のように見えることから「霧の海」と呼ばれていて、幻想的な風景を見ようと毎年、多くの人たちが訪れます。
4日も、標高491メートルの高谷山の展望台には、朝早くからカメラを持った人たちが訪れ、雲の隙間から差し込んだ太陽の光で、波打つように漂う霧がオレンジ色に染まると一斉にシャッターを切っていました。
東京から訪れたという男性は「初めてみました。朝から自然の芸術の世界を見ることができて、よい1日になりそうです」と話していました。
地元の女性は「何度も来ていますが来るたびに違って、きょうは変化に富んだ霧の海でした。心が洗われるようなきれいな景色が広がり、すがすがしい気持ちになれます」と話していました。
三次市の「霧の海」は、12月にかけての早朝、晴れて冷え込むなどの条件が整った日に見ることができるということです。