薬局に必要な本って何かあるかな?
種類が多すぎてどんなものを選べば良いのかわからない。
薬局にあると良いおすすめの本を8つ選びました。
ぜひ、参考にしてください。
薬局薬剤師8年目の管理薬剤師のなおどらログのなおです。
私の薬局でも使っているおすすめの本を8つ選びました。
今回の記事は
薬局の本を充実させたい
いろんな本を買っても結局役にたたないことが多い
薬局で実際に使っている本ってなにかある?
そんな人に向けた内容です。
まとめると
私なりの答えです。ぜひ、一度買ってみてください。
インターネットは騙されやすい。本なら正しい知識が載っていることが多い。
インターネットで何でも調べることができる時代となりました。
その代わり質が良い悪いも含めて様々な情報が入り交じるようになりました。
どれが正しいかわかりません。
そんなとき私は信じる条件として
- エビデンス(科学的根拠)が表示されているか
- ガイドラインに沿っているか
を主に検索をしています。
薬剤師がエビデンスもない治療の話をすることはいけません。
そのため、インターネットで調べるとエビデンスを探すため逆に時間がかかります。
そんなときは「 本 」です。
本は出版されるときに、必ず校正を受けます。
そこで間違えている内容だと訂正されます。
更に出版後、間違えている内容の場合、批判が入ります。
そこで完全に間違えている内容ならば、本が回収されます。
回収や批判を受けていない本ならば、私は安心して薬の監査をすすめる事ができます。
私の安心する本のおすすめを8つ紹介します。
薬局薬剤師なら必ず薬局においておきたいおすすめの本8つ紹介
薬局に常備しておく本として紹介します。
個別で購入することも良いですが今から紹介する本は、更新されて新しく本が発売されることと、処方箋を受け取ったときに調べことができる本です。
私としては使いやすく理解しやすい本ばかりです。
今日の治療薬。薬の辞典。効能別に書いてあるので分かりやすい。
薬局には最低でもこの本はおいてあると思います。
私が使う目的としては、同効薬を調べるときに使います。
例えば、医師から降圧剤の追加をしたいがどの薬が良いか相談を受けることがあります。
その場合、作用機序が異なる薬を選択します。
最新の血圧の薬が効能別で一覧となって記載されています。
ひと目でわかりやすいです。
そこから、患者さんにあう薬を選択します。
他にも、医師から古い薬を使いたいが流通しているか相談を受けることもがあります。
古い薬の流通がない場合、その薬の同効薬で調べると最新の薬が見つかります。
その薬が適応症にあうか確認をして情報提供を行います。
薬効別、一覧で表示されていることが使う最大の理由です。
薬の選択をすることで大きく役に立ちます。
腎機能別薬剤投与量POCKETBOOK。腎機能別薬の本。ぱっと見で分かりやすい。
こちらの本は腎機能別で薬の選択ができます。
簡単にいえば、
eGFR or CCr の検査数値から適正投薬量が薬効別一覧となってわかりやすい。
点です。
ここで良かったと思える表示は、透析で抜けるかどうかまで書いてあることです。
透析の患者さんは全国にいます。
突然来局されたときに、透析を受けていますと言われると、腎不全の状態で有ることと、薬が透析で抜けてしまうかを検討する必要があります。
抜けるならば、午前と午後でどのように使用するかを考えなければなりません。
この表示があると考えることに助かります。
例えば、糖尿病の治療をしている患者さんが腎機能が低下をしてきた
腎不全のレベルまで低下をしたとすると、他の種類の糖尿病の薬へ変更しなければなりません。
医師に腎機能低下したため、中止の疑義照会をするならば、代替え薬も考えておかなければなりません。
そんなときに、薬効別で乗っている糖尿病のSU剤、DPP4阻害剤と一覧となっているため、別の薬を提案しやすいです。
薬は腎代謝、肝代謝と様々にあるため、他の薬なら使用ができるものがあります。
腎機能が低下しても、変わらずに治療を継続するための提案に一役買ってくれる本です。
私としては、日本腎臓病薬物療法学会 腎機能別薬剤投与方法一覧作成委員会が作成しているため、かなり信頼ができる本と思います。
錠剤・カプセル剤粉砕ハンドブック。粉砕の本。安定性が載っているので分かりやすい。
こちらの本については、薬の粉砕についてほとんどの薬が乗っています。
簡単にいえば、
薬の粉砕後の安定性がひと目で分かる本
です。
今回の本は薬効別ではなく、50音順です。
粉砕の可否についてはインタビューフォームに「安定性」項目に載っています。
しかし、現実処方箋によくある記載は
「 処方すべての薬を粉砕する 」
と書いてあります。
毎回すべての薬のインタビューフォームを開いていると膨大な時間が必要です。
そんなときにこの本が一つあれば、50音順の薬を検索するだけで、全てわかります。
特に左右上にある50音順の中でも3文字の頭文字が分かるので、すぐに薬を見つけることができます。
粉砕が出来ない薬が出ることがあります。
その場合、今日の治療薬を開いて薬効別に調べる必要があります。
そしてありがちな内容は、なぜ、粉砕が出来ないかを医師に伝えなければなりません。
医師も、患者さんへ説明をするときに理由がなければ説明が出来ません。
粉砕の本はなぜ粉砕が出来ないか、安定性が保てない理由が書いてあります。
この説明があるとこちらもスムーズに医師に伝える事ができます。
注意は、粉砕後の安定性があったとしても、暴露(粉砕した粉が空気に舞って吸ってしまうこと)をしないことです。
抗がん剤の粉砕は、
- 粉砕する薬剤師
- 服用させる介護者
が暴露します。
そんなときには、簡易懸濁法を勧めましょう。
内服薬 経管投与ハンドブック。簡易懸濁法の本。今の時代、粉砕するよりも手技のほうが飲みやすい。
粉砕が出来ない薬は患者さんに飲ませることができないかというと、そうではありません。
考えるべきは簡易懸濁法です。
簡単にいえば
薬を溶かして服用できる可否と溶かすための時間と溶かした後のチューブの大きさまで50音順で記載
している本です。
簡易懸濁法とは、薬(錠剤やカプセルなど)をつぶさずに、そのまま 55℃程度のお湯に入れて懸濁したものをチューブから注入する方法です。
55度のお湯を作るには次の方法がおすすめです。
どちらの方法でも 55℃前後のお湯が作れます。
① 水と熱湯(90℃程度でよい)を 1:2 の割合で混ぜる
② 60℃設定のポットの湯を使用
→数分で冷めて 55℃前後になります。
本には薬を溶かすための温度のお湯を用意するための手技が書いてあります。
現在では、簡易懸濁法は注目されている手技です。
メリットは
医療従事者の暴露を防ぐことができる
粉砕の粉が他にこぼれない
長期保管ができる
など、メリットはたくさんあります。
デメリットは、毎回お湯を作る必要があることです。
温度設定ができる電気ポッドを購入すれば解決です。
倉田先生は一つ一つの薬実際に溶かしている人なので、実際の試験が著者ということで、信頼が出来ます。
経管投薬支援料が算定できる
今の時代では簡易懸濁法を紹介すると算定できます。
そのぐらい簡易懸濁法は難しく、説明してくれる人が必要ということです。
軟膏・クリーム配合変化ハンドブック。軟膏混合の本。油性水性でも混合できないものがある。
簡単にいえば
軟膏やクリームを混合したとき最大8週間の安定性がわかる。冷所保存や混合不可の理由も書いてある
本です。
軟膏やクリームは皮膚湿疹には必要な薬です。
皮膚科で門前薬局はだいたい軟膏やクリームの混合割合などが理解していると思います。
しかし、実は混合した後に2週間後に分離するなど、驚きの事実のある薬も存在します。
皮膚科の先生にはこの本を理由に何度も薬を変更してもらったことがあります。
適切に治療を続ける事ができることに関しても医師と薬剤師は協同していかなければなりません。
臨床検査データブック。検査数値の本。検査数値が高い理由と低い理由が丁寧に書いてある。
簡単にいえば
検査データの最大最小の理由や可能性が丁寧に書いてあり、検査の重要性や作用機序が書いてある理解しやすい
本です。
全国の大学病院や近隣の病院は検査数値を処方箋につけることになりました。
処方箋に検査数値がついたのは、薬剤師も検査数値をみて、薬の評価をするためです。
腎機能や肝機能に応じて薬を的確に選択する必要があります。
そんなときにこちらの本は
- パニック値
- 異常値のでるメカニズムと臨床的意義
- 見逃してはならない異常値
- 薬剤の影響
- 患者指導
など、必要な検査データが載っています。
最初は検索がうまくいかず、難しいなと思っていましたが、慣れてくると臨床検査データブックは扱いやすい本です。
例えば、専門性が求められるリウマチ、糖尿病、膠原病、甲状腺など、特殊な検査数値が出てきます。
そのときにインターネットで調べても詳しく載っていません。
臨床検査データブックは、一つ一つが丁寧に載っており、理解しやすい文章で書いてあります。
今の時代では、一つ薬局にはないと困るときがでてくるかもしれません。
新 小児薬用量。小児粉の量の本。適正数値が書いてある。
簡単にいえば
小児の体重ごとに薬の1日量が書いてあり、標準がわかりやすい
本です。
小児の体重の平均については、年齢ごとであるため推測して粉の量を計算しなければなりません。
小児科でもある程度薬は決まっているため、一度体重ごとの適正量を覚えれば開くことがないと思います。
しかし、特殊な病気の時に力を発揮します。
例えば、潰瘍性大腸炎の子供が来たときにプログラフカプセルの適正量がわからないとき
このとき、すぐに調べることができる本があることに感謝しました。
子どもの膠原病や難病のときに使用する薬の量が合っているかを確認するときに活躍する本です。
保険調剤Q&A と 保険薬局Q&A。保険調剤の本。保険請求が正しいのかわかる。
簡単にいえば
質疑応答形式で、悩みの的を得た回答がまとまっている
本です。
保険薬局には必須の本です。
薬の効能については書いていません。
処方箋の様式や記載している項目が本当に正しいかどうかのエビデンスがすべて書いてあります。
特に保険調剤の本は、質疑応答の項目が的を得ている質問と回答になっています。
2年に一度法改正があるため、まとまっている本があるとすぐに調べることができて便利です。
正しく加算をとるために必要なこともまとめて書いてあるので、検索がとてもラクです。
来年度は法改正の年なので、必ず購入をしましょう。
薬局薬剤師は医療専門の本でわからないことは調べよう!おすすめの本を買おう!
今回は、薬局薬剤師のおすすめの本8選を紹介しました。
実際に使っているため、私が働いている中で
おっ!あってよかった!
って思う内容も入り混ぜて説明をしました。
特に腎機能が低下している人は薬局に努めているとよくいます。
今まで大丈夫だったのに急に悪化する人を何度も見てきました。
そのときに、薬を適正の量にしなければ
- 副作用で苦しむかもしれない
- 腎機能が更に悪化するかもしれない
- 的確に薬効が出ないかもしれない
と考えて疑義照会を行っています。
薬は今も様々な種類が発売をされ続けています。
最新のデータをすぐに調べる事ができる本を常に周りにおいておきましょう。
以上!おわり!
参考:東名古屋病院薬剤部
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