ByteDance(バイトダンス)のライバルと目されている中国のKuaishou Technology(クアイショウ、北京快手科技有限公司)は、2021年8月末に物議を醸しているショートビデオアプリ「Zynn(ジン)」の提供を終了すると中国時間8月4日に発表した。このアプリは米国内でのみ利用可能だった。
2021年7月、月間アクティブユーザー数が10億人に達したと発表した同社は、2020年5月にサービスを開始して以来、論争の的となっていた同アプリを停止する理由については説明していない。
2021年に行われた調査で、Zynnは米国iOS App Storeでのランキングを表面的に向上させるために、ユーザーに謝礼を支払って動画を視聴させていたことが判明した。また、TikTok(ティックトック)のクローンであるこのアプリは、他のアプリから盗用した動画が氾濫していることが報道され、Google Playストアからも削除された。その後、同様の苦情を受けてAppleのApp Storeからも削除されている。
Kuaishouの広報担当者は声明の中で、今回のZynnのサービス停止の決定が他の市場のユーザーに影響を与えることはないと述べている。Kuaishouは、南米(Kwaiアプリとして)や南アジア地域(Snack Videoとして)など、他の多くの市場で同様のアプリを運営している。
2021年初めに香港でのIPOで54億ドル(約5917億円)を調達した同社は「国際市場における当社の戦略に変更はありません」と述べている。
モバイルデータ分析会社App Annieによると、Zynnアプリは米国でユーザーを引きつけることができず、2020年8月には約300万人だった月間アクティブユーザー数(MAU)が、2021年6月にはわずか20万人にまで減少していた(データは業界幹部がTechCrunchと共有したもの)。
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(文:Manish Singh、翻訳:Aya Nakazato)