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まだZen4アーキテクチャーも出ていないでZen5の話にはありますが、Moore’s Law is DeadによるとZen5世代のRyzenでは、ハイブリッドアーキテクチャーが採用され高効率コアに『Zen4D』と言うCCD1個辺り16コアを搭載するCPUが搭載されるようです

Zen5世代 Ryzenの情報が出現

AMD Zen 4D ‘Zen 4 Dense’ CPU Architecture & Chiplet Design Detailed, Will Tackle Intel’s Hybrid Approach (wccftech.com)

AMDのRyzenシリーズについては、2022年にZen3 V-CacheおよびZen3+が、2023年初旬までにZen4が登場し、Zen5については早くても2023年末頃の話となります。ただ、このZen5については過去にリークでIntel Alder Lakeのようなハイブリッドアーキテクチャーが採用される事が判明しています。

Zen4 Raphaelの次はZen5 Granite Ridge?Zen5+Zen4のハイブリッド

また、ロードマップではZen5+『Zen4D』のハイブリッドとなる事も明らかにされていますが、今回Moore’s Law is Deadにてこの『Zen4D』の詳細やZen5の一部情報が出現しました。

 

高効率コア側の『Zen4D』のDはDense(密集)を意味する

Moore’s Law is Deadでは7月に”Bergamo”と呼ばれるZen4アーキテクチャーを採用したEPYCについてリークを行っています。その時、Moore’s Law is Deadでは最大128コアになるという話がされたのですが、このリークについてAMD内で非常に大きな問題に発展していたようですが、どうやらその理由はZen4の隠し玉でもある『Zen4D』に絡む話だったためのようです。

まず、このZen4Dの『D』はDense(密集)を意味するようで、Zen4をベースとしたモデルとなっています。Zen4からの変更点としては、キャッシュ関連が再設計されており、一部機能の削減や動作クロックの低減も行われているとの事です。この変更によって、より低消費電力かつコア数を増やす事が可能になっているとの事。

ただし、シングルコア性能についてはZen4に比べて落ちている一方で、マルチスレッド性能については同一のダイサイズであるZen4に比べて大幅に向上が成されているとの事です。

他の情報としては

  • CCD1個辺り16コアを搭載
  • L3キャッシュはZen4に対して半分の容量
  • ハイパースレッディングには対応(する見込み)
  • AVX-512サポートについては一部機能に制限または完全に廃止される可能性がある模様
  • 16コアを搭載したZen4 Ryzenと並行して32コアを搭載したZen4D Ryzenを2023年初旬に登場させる可能性もあり
  • Zen5に搭載される予定の高効率コアにはZen4Dが搭載予定

Zen4DのパフォーマンスはZen4より劣る。ただし、IPCはZen3並み

Zen4DのパフォーマンスについてはオリジナルのZen4に対して10~40%程度性能が下がるとの事です。これは、前述の通り限られたダイサイズの中に多くのコアを搭載するために一部機能や動作クロックが制限されています。

ただ、40%の性能低下分でもアンダークロックされたZen3並みの性能で、20%から10%程度であればZen3やZen3Dの性能に近づくと見られており、その性能のコアを32基積んだCPUが登場となれば消費者としては選択肢が広がり、Intelに対抗できるだけの商品性をZen4Dだけで獲得できるのでは無いかと考えられるとの事です。

AMDの戦略としては、Raptor LakeでP-Core8基、E-Core 16基の計24基のコアが搭載される事が予想されておりAMDのアドバンテージだった多コアが失われます。またシングルコア性能もRaptor Lakeに対してZen3では太刀打ちできません。

そのため、Zen4Dでコンシューマー向け製品で32コアまで増やしてAMD=コア数のアドバンテージを維持し、同時にZen4搭載製品でシングルコア性能面でRaptor Lakeに対抗する事を考えているかもしれません。

もしこの戦略通りになればAMDはZen3でIntelを打ち負かしたようにZen4でも打ち負かすかもしれません。

Zen5に関する情報も一部登場

Zen5については2023年末頃の登場が予定されており、現時点ではGranite RidgeとStrix Pointと言うコードネームで呼ばれている事が明らかになっています。

基本的なアーキテクチャーとしてはZen5とZen4を組み合わせたハイブリッドアーキテクチャーが採用される予定で、big.LITTLE CPUで先行しているIntelに対抗する意味合いも持っているモデルとなります。

  • Zen5についてはZen4より期待値が高く、Zen4からZen5はZenからZen2への進化度合に似ているとの事。
  • 登場時期はZen4から11から14か月後にあたる2023年Q4(10月から12月)を予定
  • Zen5コア側(高性能コア)はZen4に対して20~40%のIPCが向上
  • デスクトップ向けZen5ではZen5コアを8基、Zen4Dコアを16基搭載。なおZen5は3nm、Zen4Dは5nmで製造予定となっています。
  • Zen5ではニューラル処理を対応するアクセサレーターが搭載予定

Intelとは異なるアプローチで開発される高効率コア。

Intelでは既にハイブリッドアーキテクチャーが採用されていますが、AMDは2023年頃からハイブリッドアーキテクチャーが採用となりますが、この両者の今後の展開を見ると開発アプローチが大きく異なる事が分かります。

IntelではAlder Lakeについて、高性能コアにGolden Coveと呼ばれるCore系CPU、高効率コアにはGracemontと呼ばれるAtom系CPUが採用されています。この2つのCPUは全く異なるアーキテクチャーを採用しており、開発チームも完全に別に存在していると考えられます。このリソースの使い方は巨大な企業だからこそ出来る技と言えます。

一方で、AMDはIntelほど巨大な企業では無いため開発リソースは限られています。そんな中でハイブリッドアーキテクチャーを採用するために同時期にリリースされる製品に対して2つのアーキテクチャーを開発する余裕は無いと考えられます。

そこで、恐らくAMDではZen5など高性能コアについては最新アーキテクチャーとして開発に取り組む一方で、高効率コア側については既に出来上がったアーキテクチャーの縮小と小改良を行う事で開発費やリソースを減らそうとしているのかもしれません。

 

Zen4DについてはZen5に関するロードマップが出現した際に名称だけは判明していましたが、当時は3D V-Cacheを搭載したモデルになるのではと考えられていました。ただ、どうやらDは密集と言う意味で多コア化されたモデルという事のようですね。Zen4ではZen3に対して性能面では40%程度向上すると言われていますが、Zen4DがZen3と同等レベルの性能で32コア化されるような事が起きればAlder LakeのみならずRaptor Lakeについてもコア全体の性能で言えば上回れそうな気がします。

また、そんな性能を持つコアを高効率コアとしてZen5 Ryzenでは搭載される事が予測されているので、Intel対AMDの戦いは一旦Alder Lakeの登場でIntel優位に傾いていますが、まだまだ暑い戦いは続きそうです。IntelもRoyal Coreと呼ばれる革新的なCPUを2024年を目指して開発中のようですので・・・

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