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国際的な事業展開を進め、また積極的にM&Aの機会を模索しているインドのEdTech大手Byju’s(バイジュース)が、大型の新規投資ラウンドの一環として3億ドル(約333億円)を調達した。

調査会社ToflerがTechCrunchに提供した資料には、今回のラウンドでのByju’sの評価額は180億ドル(約2兆円)とあり、2021年6月の165億ドル(約1兆8338億円)より増えている。165億ドルという評価額で、Byju’sはインドのスタートアップエコシステムにおける中心的な存在であるフィンテック大手Paytm(ペイティーエム)を追い越した。

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Oxshott Capital Partnersが新ラウンドをリードし、XN Exponent、Edelweiss、Verition Master Fund、IIFL、Time Capital Advisorsなどが参加した。

今回の投資は、Byju’sの評価額を210億ドル(約2兆3333億円)に押し上げそうな大型の投資ラウンドの一環だとTechCrunchは理解している。

Byju’sの広報担当は現地時間10月4日、コメントを却下した。

今回の資金調達は、Byju’sが2022年のIPO(新規株式公開)に向けて投資銀行とやり取りしている中でのものだ。TechCrunchが8月に報じたように、一部の投資銀行はByju’sが2022年に上場する場合の評価額として最大500億ドル(約5兆5505億円)を提示した。Byju’sの創業者でCEOのByju Raveendran(バイジュー・ラヴェンドラン)氏は9月のインタビューで「IPOはあり得る」と認めていた。

パンデミックが始まって以来180億ドル(約2兆円)を調達した同社は、その資金のかなりを企業買収に使った。2021年初めに同社は、センター200カ所超を抱え、最大の高校生向けコーチング機関の1つであるAakashを10億ドル(約1111億円)近くで買収した。Byju’sはまた、Great Learningと米国拠点のEpicを、それぞれ現金と株式による10億ドル超の取引で買収した。そして9月にはキッズコーディングプラットフォームのTynkerを2億ドル(約222億円)で買収したことを明らかにした。

ラヴェンドラン氏は9月、Byju’sが引き続き合併・買収の機会を模索していると述べた。こうした買収により、同社は積極的にサービスを拡大し、より有意義な方法で海外マーケットにうって出ることができると語った。

Byju’sは大学レベルや修士レベルのコースを追求している学生をサポートしており、近年はあらゆる学年の生徒向けにサービスを拡大してきた。Byju’sアプリの家庭教師はピザやケーキなど実生活にあるものを使って複雑な問題を教えている。

インド政府が数カ月にわたってロックダウンを敷き、学校を閉鎖することになったパンデミックにより、Byju’s、そしてUnacademyやVedantuなど他のオンライン学習スタートアップは成長を加速させた。

画像クレジット:Paul Yeung / Bloomberg / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi