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高校卒業後10年ぶりに再会した3人の女性の、夢と現実と友情を描く映画『シノノメ色の週末』。乃木坂46を卒業し、舞台を中心に俳優としてのキャリアを積み重ねてきた桜井玲香さんが、今作でついに映画初主演を果たします。本インタビューでは、同作撮影時の楽しいエピソードを振り返ってもらったほか、自身の思い入れのあるアイテムについて聞きました。

(撮影:中村 功/執筆:橋本吾郎)

桜井玲香●さくらい・れいか…1994年5月16日生まれ。神奈川県出身。2012年にアイドルグループ・乃木坂46の1期生としてデビュー、2019年9月に卒業。その後、ミュージカル「ダンス・オブ・ヴァンパイア」「フラッシュダンス」などに出演。また雑誌「CLASSY.」(光文社)でレギュラーモデルを務めるなど、活躍の場を広げている。本作が映画初主演作となる。オフィシャルHPInstagram

 

【桜井玲香さん撮りおろしカット】











 

シノノメ色の空を見るシーンの撮影は、青春という感じがして楽しかった

 

──まずは、初主演の気持ちを聞かせてください。

 

桜井 “やった! 主演だ!”という感じではなく、“もっと頑張らなきゃ!”と噛みしめる感じでした。でも撮影中は、主演というのはほとんど意識していませんでした。今こうして皆さんにいろいろ取材をしていただいて、“あ、主演なんだな”と感じています(笑)。

 

──今、実感している感じなんですね(笑)。完成した映画を見てどうでしたか?

 

桜井 ちゃんと形になって、すてきな主題歌も入って。“ついに完成したんだな”と感慨深いです。撮影の思い出も一気によみがえってきました。

 

──どんな現場だったんですか?

 

桜井 岡崎紗絵ちゃんと三戸なつめちゃんと本当に仲良くさせてもらって。休憩中も、ずーっとしゃべっていました。ひたすら美容と占いの話を(笑)。なのでお芝居も楽屋からの延長のような感じで、無理なく楽しみながらできました。

 

──特に楽しかったシーンは?

 

桜井 3人で持ち寄った制服を着て、「せーの!」って見せ合うところです。半分素で、キャーキャー演じていました。シノノメ色の空を見るシーンの撮影では、みんなで夜中に集合して、日が昇るのを待って。青春という感じがして楽しかったです。

 

──演じた美玲という役についてはどんな印象を?

 

桜井 読者モデルからモデルを目指すところは、私自身の芸能活動にも通じるものがあるなと思いました。美玲は周りと自分とを比べて挫折を味わい、とても苦しむのですが、私も周りを見て自信をなくす……ということがよくあるので。そういう意味では、共感できるキャラクターでした。

 

──性格は似ていると思いますか?

 

桜井 性格面はだいぶ違うと思います。美玲は学生時代に学校で目立っていたという設定で、前向きで自分に自信を持っている子。自分は“私なんか……”と思ってしまいがちなタイプなので。もし美玲みたいな子が同じ学校にいたら憧れていると思います!

 

──作品全体としては、どんなところが魅力だと思いますか?

 

桜井 女子校出身の女の子たちの日常の雰囲気や会話が、リアルに切り取られているところだと思います。いろいろな“女子校あるある”が詰まった作品なので、女子校出身の方が見たらきっと“分かる!”と当時のことがよみがえってくるんじゃないでしょうか。

 

──桜井さんも女子校出身ですが、思い出しましたか?

 

桜井 そうですね。“こういう雰囲気の女の子たち、いたな~”と思いました(笑)。ぶつかるようでぶつからない女の子同士の会話も、細かいところまでリアルに描かれています。

 

──特にリアルを感じたシーンは?

 

桜井 私が演じた美玲は、自分のやりたいことをやろうと突っ走るタイプで。そんな美玲に、超優等生のまりりん(岡崎)が現実的な言葉を少しずつ投げかけるんです。が、そうやってジワジワ攻めていく感じは、女子ならではの手法だなと (笑)。

 

高校時代の自分に「10年後、すごいグループになってるよ!」と教えてあげたい

 

──なるほど(笑)。劇中の3人のように、学生時代から付き合いのあるお友達はいますか?

 

桜井 一番連絡を取る子がまさに2人いて。当時からいつもその3人で行動していたので、映画ともリンクしていました。クラスもバラバラで、ギャルみたいな子も1人いて、見た目も性格も全く違う3人なんですが(笑)。気づいたら、休みの日も会う関係になっていました。

 

──そのお2人とはどんな思い出がありますか?

 

桜井 服飾関係のお仕事をしている子がいて、ブランドのポップアップストアを出したのですが、そこに遊びに行った時は“頑張っているなぁ”と感動したのを覚えています。私の卒業コンサートにも来てくれたんです。手作りのうちわを振ってくれていたのですが、よく見たら私ではなく彼女自身の名前が書いてありました(笑)。

 

──ユニークなお友達ですね(笑)。では、高校時代の自分に今メッセージを送るとしたら?

 

桜井 ちょうど乃木坂46のオーディションに受かった時期でもあるんです。私はグループの1期生で、当時は周りも“乃木坂って何?”というリアクションで。私自身も、グループが2~3年先どうなっているか想像できなかったことを覚えています。だから、「10年後、すごいグループになってるよ!」と教えてあげたいです。

 

私の中でハロプロさんが再燃しています

 

──ちなみに学生時代にハマっていたものは何かありますか?

 

桜井 モーニング娘。さんの生写真はよく集めていました。近所ですごく流行っていましたし、私も完全に“モー娘。オタク”でした。コンビニで売っているトレーディングカードなども、毎日のように友達と交換していました。特にモー娘。さんは衣装が個性的で、それがコレクター心をくすぐるというか……。

 

──それは小学生ぐらいの話ですか?

 

桜井 いえ、もっと前です。幼稚園とか。

 

──え、幼稚園で集めていたんですか?

 

桜井 集めてちゃんとファイリングまでしていました。私、種類とかを分けるの、うまいと思います (笑)。確か『ハロー!モーニング。』が放送されていたぐらいの時期です。懐かしいなぁ。

 

──懐かしいですね。そのコレクションは今も手元にあるんですか?

 

桜井 これがないんです……。昔、引っ越す時に近所の小さい子にあげてしまって。その子も私たちの影響を受けてモー娘。さんを大好きになったんですけれど、今考えるともったいないことをしました。私の青春ですね……って、青春にしてはちょっと時期が早いか(笑)。

 

──では、最近ハマっているアイテムは?

 

桜井 スピーカーです。ずっと欲しいものがあって、今年の誕生日に頂きました。オランダのメーカーで、丸くて、落ち着いた色味で、インテリアとしてもおしゃれで気に入っています。それまでは携帯電話から直接音を流していたのですが、聴き心地が全く違います。雑音が入らないし、ストレスフリーです。防水加工もされているので、お風呂場にも持っていきます。

 

──お仕事の現場に持って行くことも?

 

桜井 そうですね。軽いですし、楽屋がある現場にはよく持って行きます。つい先日まで公演していた舞台(「ザ・パンデモニアム・ロックショー」)では、カンパニーの皆さんが音楽好きな方ばかりだったので重宝しました。

 

──そのスピーカーでどんな音楽を?

 

桜井 舞台が昭和歌謡をテーマにした作品だったので。最近は森雪之丞さんが作詞された曲や松田聖子さんやピンク・レディーさんなど、昔の曲を流していることが多いです。

 

──舞台を経て、日本の古き良き歌に目覚めたわけですね。

 

桜井 そういう意味でも、私の中でハロプロさんが再燃しています。舞台がアイドルの役だったので、歴代のアイドルさんを参考にしようと思ってネットでいろいろ検索していたのですが、結局、モー娘。さんや松浦亜弥さんの動画ばかり見ている自分がいました(笑)。

 

──ネットだと関連動画がどんどん出てきますもんね。

 

桜井 そうなんです! 懐かしい気持ちになりどんどん遡っていくと、ハロプロさんのシャッフルユニットにまで行き着いて……。どのユニットも大好きだったので、見始めたら止まらなくなってしまいました。最近も夜な夜な見ています。

──スピーカー以外に何か手に入れたものはありますか?

 

桜井 照明でしょうか。ネットで“これだ!”と思う間接照明があり購入しました。ガラスの玉みたいなのがバーッと並んでいて、電気を付けるとかわいいんですが、消すとブツブツ感が際立ってしまうんです(笑)。“これはもしかしたら集合体恐怖症の人が見たらダメかも……”と思って。本当はInstagramとかで紹介したいのですが、苦手な人は苦手だと思うので控えています(笑)。

 

──どんな照明なのか、逆に気になります。

 

桜井 いや~(笑)。私、ウニが好きなんですけど、インスタに写真を載せると嫌がる人が結構いらっしゃって。ウニって、よく見るとちょっとグロテスクだからだと思います。カマキリの写真を載せた時も「虫が嫌いなのに、玲香ちゃんのブログを見たらカマキリが出てきたんだけど!」と言われました(笑)。

 

──載せる写真が独特ですね(笑)。

 

桜井 感覚が世間とズレているのかもしれません……難しいですねぇ(笑)。

 

 

【「シノノメ色の週末」劇中衣装での特別写真】


シノノメ色の週末

2021年11月5日(金)より全国公開

 

出演:桜井玲香 岡崎紗絵 三戸なつめ/中井友望 山田キヌヲ/工藤阿須加

監督・脚本:穐山茉由

主題歌:佐藤ミキ「東雲の空」(SACRA MUSIC)

制作プロダクション:ダブ

配給:イオンエンターテイメント

公式URL:shinonome-weekend.com

(C)2021映画「シノノメ色の週末」製作委員会