2021年11月17日・18日のスポニチの記事には自由契約公示日(12月2日)が交渉解禁日だと書かれている。
ノンテンダー(テンダーは提出、申請の意)とは、大リーグにおいて球団が来季の保有権を放棄してFAとなること。背景には実績ある3選手に対して、制約なく移籍交渉を進めてほしいという球団側の配慮もある。3選手は契約保留者名簿から外れ、自由契約選手として公示される12月2日以降は国内外の球団と入団交渉できる。
日本ハム 西川&大田&秋吉“放出” [ 2021年11月17日] スポニチ日本ハムは西川に来季の契約を提示せず、契約保留選手の手続きを行わないことを16日に発表。日本ハムの契約保留者名簿から外れ、自由契約選手として公示される12月2日以降は国内外の球団と入団交渉できる。
斎藤佑樹氏が自由契約の西川遥輝にエール 「同期の希望として、ずっと応援しています」 [ 2021年11月18日] スポニチ
しかしながら2011年のニッカンの記事では「トライアウト前に戦力外選手と交渉できない」となっている。
楽天星野仙一監督(64)が26日、戦力外通告を受けた選手の獲得ルールに一石を投じた。
選手会とNPBの申し合わせにより、第1回12球団合同トライアウトよりも前に、各球団は、戦力外通告を受けた選手と直接交渉はできない。
もともと球団によって通告時期が異なっていたため、背景には、選手の機会均等を確保したい選手会の意向がある。
これに星野監督が反応。「かえって選手自身の首を絞めることになるのでは」と、選手の再契約の機会を失わせる恐れを指摘した。
個人的な感覚としてもニッカンの記載が正しいと思うので、少し調べてみた。 まあ、実際はどこもタンパリングしているはずなのでこのルールはないようなものだが…。
まず、通常であればトライアウトは11月に行われる。自由契約選手の公示は12月2日なので、トライアウト→自由契約選手公示の順番が一般的。
ただ2020年、2021年はコロナや東京五輪の関係でトライアウト実施が12月7日、8日に後ろ倒しされている。その関係でトライアウトと自由契約公示の順番が逆になってしまった。
では2020年と2021年は例外的なルールができたのか?と思い、2020年の自由契約された選手の再契約状況を確認してみた。
| 契約日 | 選手名 | 参考URL |
| 12月8日 | 能見篤史 | https://www.buffaloes.co.jp/news/detail/00004063.html |
| 12月8日 | 鈴木翔太 | https://hanshintigers.jp/news/topics/info_7178.html |
| 12月8日 | 加治屋蓮 | https://hanshintigers.jp/news/topics/info_7178.html |
| 12月10日 | 風張蓮 | https://www.baystars.co.jp/news/2020/12/1210_03.php |
| 12月11日 | 内川聖一 | https://www.nikkansports.com/baseball/news/202012110000969.html |
| 12月12日 (12月9日に交渉している) |
福留孝介 | https://hochi.news/articles/20201212-OHT1T50100.html https://hochi.news/articles/20201210-OHT1T50000.html |
いずれも契約日はトライアウト(12月7日)後。内川や福留の記事では各誌交渉解禁日が7日だと報じている。
ソフトバンクを退団し、自由契約となった内川聖一内野手(38)のヤクルト入りが19日、決定的となった。
交渉解禁になる12月7日のトライアウト終了を待って即交渉に入り、細部を詰めていくとみられる。内川、ヤクルト獲得へ!解禁後交渉…背番「2」有力 [2020年11月20日3時1分] ニッカン
今季限りでソフトバンクを退団した内川聖一内野手(38)が11日、ヤクルトと1年契約、推定年俸5000万円で正式契約を結んだ。
7日の自由契約選手の交渉解禁後、すぐにヤクルトから誘いを受けたという。ヤクルトが内川と正式契約 新たな野球人生「もう一花咲かせたい」 2020/12/11 毎日新聞
福岡ソフトバンクを今季限りで退団し自由契約選手として公示されていた内川聖一内野手(38)がヤクルト入りを決断したことが7日、分かった。交渉解禁となったこの日に複数球団が接触。
内川ヤクルト入り決断!背番「7」有力 交渉解禁日に即決、背景に恩師の存在と家族会議 2020/12/8 西日本スポーツ
自由契約選手との交渉解禁となる7日を前に中日は6日、今季限りで阪神を退団した福留孝介外野手(43)の獲得へ向けた本格調査に入った。
阪神退団の福留を“古巣”中日が本格調査 2020年12月7日 中スポ
スポニチは2021年12月5日の記事でも「2日から入団交渉できる」と書いているが、主要誌で2日を交渉解禁日としているのはスポニチだけ。前年の例を見ても、スポニチが間違えている可能性は極めて高い。
そもそも交渉解禁されているなら”獲得調査”ではなく”即交渉”になりそうなものだが…(11月16日にノンテンダーが公表されたのだから、調査する時間は十分あったはず)。
現在は保留者名簿から外れて自由契約選手として公示されており、2日からは国内外の球団と入団交渉できる状態。
巨人 日本ハム自由契約の西川を獲得調査、補強ポイント「1番」ハマる盗塁王4度の実績 [ 2021年12月5日] スポニチ