もっと詳しく

太田啓子弁護士、おぎの稔議員への脅迫メールを殺害予告ではないと

どういうことでしょうか?

背景:大田区のおぎの稔議員への殺害予告メール

東京都大田区役所に「(大田区議会議員の)おぎの稔を〇す」などと書かれた脅迫メールが届いていたことが10月1日わかった。おぎの稔議員がTwitterで明かした。

おぎの議員によると、脅迫メールには、大田区役所など3か所について「10月1日15時34分に爆弾積んだプリウスで突っ込んで爆破する」といった、リアリティに欠けるような記述もあったという。おぎの議員は30日に警察に被害届を提出、警察や大田区が警戒したが、この時間には何事も起きなかったという。

こういう背景があります。

これに対して「爆破予告だが殺人予告ではない」だとか意味不明なことを口走る者が居ましたが、以下で取り上げる人物たちとはまた別人です。

そして、再度の予告メールや、さらにはおぎの稔議員の名前を騙った予告メールまでなされるという展開となっています。

太田啓子弁護士、「おぎの稔議員へのメールはネタだから殺害予告じゃない」にイイね

太田啓子弁護士、おぎの稔議員への脅迫・威力業務妨害の犯行予告メールについて北守(@hokusyu82)が「ネタなんだから殺害予告じゃない」とするツイートをリツイートだけでなく いいね していました。

どういう意味なんでしょうか?

「リツイートは賛同」判決も

Twitter上の単純リツイートは賛同の意味かどうか。

橋下徹氏の岩上安身氏に対する訴訟において、リツイートが賛同の意であるとされて名誉毀損が認められた裁判例があります(大阪地裁令和元年9月12日平30(ワ)1593)。

…何らのコメントも付加せず元ツイートをそのまま引用するリツイートは,ツイッターを利用する一般の閲読者の普通の注意と読み方を基準とすれば,例えば,前後のツイートの内容から投稿者が当該リツイートをした意図が読み取れる場合など,一般の閲読者をして投稿者が当該リツイートをした意図が理解できるような特段の事情の認められない限り,リツイートの投稿者が,自身のフォロワーに対し,当該元ツイートの内容に賛同する意思を示して行う表現行為と解するのが相当である。

内容を是認する趣旨でないのならば、リツイートをした後にそれに対して批判を加えたり、価値中立的なツイートをするなどをするのが通常であり、そうでない限りは賛同としか言えない、という判断。

そのアカウントのツイート群を見た上で判断しているので、これはその通りだろうと思われます。

リツイートがそうなのであるから、「いいね」も同様に判断されるでしょう。

むしろ「いいね」の方が「賛同」と判断される度合いは大きいでしょう。

愉快犯だろうが本物の予告だろうが刑事法上は同じ犯罪行為

2ちゃんねるの「自己紹介板」「ニュース速報(VIP)板」に2008年10月21日午後2時25分ごろ、同じ固定ハンドルで「○○小学校で小女子を焼き〇します」というタイトルのスレッドが作成され、それぞれ「本当に逮捕されるか実験です」などと書き込まれたことが威力業務妨害だとして懲役1年6月、保護観察付き執行猶予3年が言い渡されました。

『魚の「こおなご」の意味だ』という弁解が通るわけもなく、むしろ悪質と捉えられました。

今回のおぎの議員に対するメールは2ch時代からの板のネタが使われていたようですが、だからと言って同じ犯罪行為であることに変わりありません。

しかも、本当に実行されるかは犯人次第です。実行されるか否かは威力業務妨害の成否には影響しません。

それを「ネタなんだから被害者面するな」とでも言いたげな様子でおぎの議員の攻撃に使うのはいったいどういう意味なんでしょうか?

そういう発信を見てさらに勘違いした者が大丈夫だと思って模倣犯的にメールを送ったらどうするんでしょうか?

以上:はてなブックマークをして頂けると助かります。