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アメリカで貿易交渉を担当するキャサリン・タイ通商代表は、近く中国との間で閣僚級の協議を再開し、これまでに約束した農産品の大量購入だけでなく、過剰な産業補助金などの是正を中国側に求めていく方針を示しました。

アメリカのタイ通商代表は4日、ワシントンで講演し、近く中国との間で閣僚級の貿易協議を再開することを明らかにしました。

タイ通商代表は交渉の方針について「従来の手法を駆使するだけでなく、新たな手法も取り入れて、有害な貿易慣行からアメリカの利益を守っていく」と述べました。

具体的には、トランプ前政権時代の去年1月に合意した第1段階の貿易協定に沿って、アメリカ産の農産品などを大量に購入するという約束を実行するよう求め、来年以降の数値目標なども議論するとしています。

また、協定の内容は不十分だとして、過剰な産業補助金などの中国の構造的な問題の是正を要求していくとしています。

一方、輸入品に対する最大25%の関税上乗せ措置については、アメリカ国内の産業界からの要望を踏まえて、品目によって関税を免除できる制度を活用する方針も示しました。

バイデン政権は、多国間の連携も含めて中国に圧力をかける戦略ですが、中国側の反発も予想され、交渉が思い描くとおりに進むかは不透明です。