半導体ベンダーAdvanced Micro Devices(AMD)は2021年10月6日(現地時間、以下同じ)、Microsoftの新OS「Windows 11」に存在する不具合2件(パッチ提供済み)の発見を発表した。これらの不具合により、AMDのプロセッサを搭載したPCでアプリケーションの動作が遅くなる可能性があった。特に影響が大きかったのが、ゲームやeスポーツといった、高い処理速度を必要とするアプリケーションだ。
今回の不具合は、「AMD Ryzen」シリーズや「AMD EPYC」など、Windows 11で動作可能なプロセッサが影響を受けた。不具合の1件は、L3(レベル3)キャッシュ遅延の増加につながる可能性があった。もう1件は、コア(CPU内部にある演算回路)に関する不具合で、特に8コア以上のプロセッサでアプリケーションの動作が遅くなる恐れがあった。
AMDが不具合の発見を発表したのは、MicrosoftがWindows 11を公開した2021年10月5日の翌日だ。Windows 11で動作可能なAMDのプロセッサは約180種類あり、ゲーム用PCといった高性能PCにも採用されている。そのため不具合の影響は広範囲に及んだ。ソーシャルメディアでは不具合の発表後、不満を表すユーザーの声が相次いだ。AMDは同月21日、この不具合を修正するパッチを公開した。
PC向けマイクロプロセッサ市場で、AMDはIntelと競争している。調査会社Statistaによると、2021年第4半期(10月〜12月)出荷のPC約60%がIntel、約40%がAMDのプロセッサを搭載している。
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