精神科の病気を調べていたら衝撃のニュースが飛び込みました。
砂糖の過剰摂取は統合失調症や双極性障害の発症要因となる、NCNPが確認
思春期における砂糖の過剰摂取が精神疾患(本研究では統合失調症(注 1)と双極性障害(注 2)を指す)発症の新たな環境リスク要因となりうることを、新たなモデルマウスを作製することで実証しました。
引用:国立精神・神経医療研究センター
糖質の過剰摂取は精神障害を引き起こすことがわかりました。
今回の記事は
日常の必要なカロリーってどれぐらいなの?
糖質のとりすぎってどれぐらいなの?
普通の食事で糖質って摂りすぎ?
の人に向けた内容です。
糖質(炭水化物)の過剰摂取とは
年齢、性別などからまずは推定エネルギー必要量を求めることが必要です。
推定エネルギー必要量とは、「当該年齢、性別、身長、体重、及び健康な状態を損なわな い身体活動量を有する人において、エネルギー出納(成人の場合、エネルギー摂取量−エネルギー 消費量)が0(ゼロ)となる確率がもっとも高くなると推定される、習慣的なエネルギー摂取量の 1日当たりの平均値」
引用:厚生労働省エネルギー
つまり、ご飯を食べて、そのエネルギーを使い切る量の目安です。
推定エネルギー必要量以上であればエネルギーを蓄えてしまうので、太ります。
推定エネルギー必要量以下であればエネルギーが足りないため、痩せます。
1日の必要な推定エネルギー必要量を調べましょう。
成人(18歳以上)では、
推定エネルギー必要量(kcal/日)=基礎代謝量(kcal/日)×身体活動レベル
の算出でわかります。
基礎代謝量とは1日の必要最小限のエネルギー代謝量です。
基礎代謝量も計算式で求めることが可能です。
基礎代謝量(kcal/日)=基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日) × 参照体重(kg)
の算出です。
- 基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日) ⇨ 体重1kgあたりの基礎代謝量の代表値
- 参照体重(kg) ⇨ 該当年齢の平均的な体重
の意味です。
参照体重から基礎代謝量をまとめた表が以下です。
次に身体活動レベルです。
身体活動レベルとは、1日あたりの総エネルギー消費量を1日あたりの基礎代謝量で割った指標です。
- レベルⅠ ⇨ 生活の大部分が座位で静的な活動が中心の場合
- レベルⅡ ⇨ 座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、通勤・買い物での歩行、家事、軽いスポーツ、のいずれかを含む場合
- レベルⅢ ⇨ 移動や立位の多い仕事への従事者、あるいは、スポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている場合
注:健康な日本人の成人(20~59歳)
推定エネルギー必要量は平均値を算出していますが、年齢や状況に併せてエネルギー量をプラスする必要があります。
- 乳児・小児 ⇨ 体の成長を考慮して、「エネルギー蓄積量」をエネルギー必要量に追加
- 妊婦 ⇨ 胎児と母体の組織の増加を考慮して、「エネルギー付加量」をエネルギー必要量に追加
- 授乳期 ⇨ 泌乳に必要なエネルギーと産後の体重増加を考慮して、「エネルギー付加量」をエネルギー必要量に追加
後はこれらから
推定エネルギー必要量(kcal/日)=基礎代謝量(kcal/日)×身体活動レベル
の算出をしましょう。
推定エネルギー必要量を出してみよう
推定エネルギー必要量の算出方法は
推定エネルギー必要量(kcal/日)=基礎代謝量(kcal/日)×身体活動レベル
です。
例えば、
- 性別:男性
- 年齢:33歳
- 身体活動レベル:レベルⅡ
の人でしたら、
①基礎代謝量=1,530(kcal/日)
②身体活動レベル=1.75
のため、
1日に必要な推定エネルギー必要量は、2,677.5 Kcal/日です。
次に炭水化物(糖質)の摂取基準についてです。
炭水化物(糖質)とは
炭水化物をわけていくと
- 食物繊維
- 糖質
に分かれます。
糖質は
- 多糖類
- 糖アルコール
- 糖類
に分かれます。
糖類は
- 単糖類
- 二糖類
に分かれます。
今回は糖質に注目します。
糖質は指標設定が難しい。推定で考える上限量。
糖質のエネルギー量は、約4 kcal/g のエネルギーを産生します。
糖質のエネルギーの摂取については、推奨量も耐用上限量も設定しないと明記されています。
しかし、アメリカ人を対象とした研究では
アメリカ人中年男女(45〜64 歳)15,428 人を 25 年間追跡して、炭水化物摂取量と総死亡率との関連を検討した報告によると、炭水化物摂取量が 50〜55% エネルギーであった集団で最も低い総死亡率と最も長い平均期待余命が観察された 30)。同時に、総死亡率の上昇と平均期待余命の短縮は炭水化物摂取量が 55〜65% エネルギーであった集団ではわずかであった。
引用:厚生労働省 炭水化物
このことから考えて総エネルギーの50%を目標上限として考えましょう。
先程の例で
- 性別:男性
- 年齢:33歳
- 身体活動レベル:レベルⅡ
ならば、推定エネルギー必要量は2,677.5 Kcal/日です。
糖質上限量は総エネルギーの50%と考えると約1,339 Kcal/日です。
糖質の代表は、白米、パン、中華麺、うどん
糖質をまとめて表にしました。
商品名 | 100g中の糖質量 |
炊いた精白米 | 36.8g |
食パン | 44.4g |
中華麺(生) | 53.6g |
うどん(生) | 55.6g |
麺類は糖質の塊です。
ここから水分を含むと量が膨れ上がります。
次に、通常の量で計算しましょう。
商品名 | 通常量の糖質量 |
炊いた精白米(茶碗150g) | 25.2g(全量65g中) |
食パン1枚(一斤360g) | 5枚切りなら32g(全量72g中) 6枚切りなら26.6g(全量60g中) |
中華麺(生) | 64.3g(一玉120g中) |
うどん(生) | 66.7g(一玉120g中) |
通常食べるなら白米が一番量が少ないです。
朝パンを2枚食べる人がいますが、5枚切りなら64gの糖質となります。
ラーメンを朝に食べることと一緒です。
例の男性の場合、白米などどれぐらい食べることができるのか
先程の例で
- 性別:男性
- 年齢:33歳
- 身体活動レベル:レベルⅡ
ならば、推定エネルギー必要量は2,677.5 Kcal/日です。
糖質上限量は総エネルギーの50%と考えると約1,339 Kcal/日です。
糖質は約4 kcal/g のエネルギーを産生します。
摂取できる糖質量は約335gです。
先程の炭水化物の代表的なものからそれぞれ考えてみましょう。
1日1種類しか食べることができないとしたらこのようになります。
商品名 | 1日食べる事ができる量 |
炊いた精白米(茶碗150g) | 910g(約14杯) |
食パン1枚(5枚切り) | 1,047g(約14.5枚) |
中華麺(生) | 520g(約4.3杯) |
うどん(生) | 502g(約4.2杯) |
です。
糖質のみで考えるとそれぞれ量を食べることができますが、ここに脂質、タンパク質が入るため、総カロリーでは推定エネルギー必要量を超えてしまうでしょう。
それにしてもご飯やパンだけなら意外とたくさん食べる事ができます。
お菓子ならポテトチップス、チョコレート、じゃがりこ
次にお菓子で考えて見ましょう。
1日食べる事ができる糖質に加えて食べられるカロリーでも計算してみます。
商品名 | エネルギー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 一日食べられる量(糖質) | 一日食べられる量(カロリー) |
ポテトチップス(カルビー60gうすしお) | 336kcal | 3.1g | 21.6g | 32.3g | 約10袋 | 約8袋 |
森永ミルクチョコレート | 284kcal | 2.7g | 17.7g | 28.5g | 約12枚 | 約9枚 |
じゃがりこ サラダ | 299kcal | 4.3g | 14.4g | 38.1g | 約9個 | 約9個 |
私の好きなお菓子でそろえてみました。
ご飯の代わりにってなるとタンパク質量が圧倒的に足りません。
すべてお菓子に変えることは難しいですね。
例の男が通常のご飯を食べて、お菓子を食べると残りの糖質は?
結局、どれぐらい食べていいのかってなるとまずは普通に食事をしましょう。
おかずの糖質はわからないため、朝にパン2枚、お昼に白米1杯+お菓子はポテチ1袋、コーラを500mL で夕ご飯に白米1杯で計算しましょう。
朝食: 食パン6枚切り2枚 ⇨ 糖質53.2g
昼食: 白米1杯 ⇨ 糖質25.2g
おやつ: ポテトチップスうすしお60g ⇨ 糖質32.3g
コーラ500mL ⇨ 糖質56.5g
夕食: 白米1杯 ⇨ 糖質25.2g
糖質合計: 192.4gです。
糖質上限の335gから引くと、残りの糖質142g(568kcal)は食べる事が可能です。
通常の食事生活なら、過剰な糖質になることはなさそうです。
ここで知ってもらいたいことはジュースの糖質です。
コーラを例としてあげましたが、ジュースは1本あたりの糖質が異常に高いです。
3本もコーラを飲むと1日の摂取糖質量の半分を超えてしまいます。
缶コーヒーも糖質が意外と多いです。
1日3本飲む方も多いです。
例えば、ボス レインボーマウンテンブレンドなら全量185gに対して糖質が12.7gです。
3本で38.1gの糖質です。
なんと白米約1.5杯も食べていることになります。
飲み物はついつい過剰に糖質をとってしまうので、注意が必要です。
糖質はついついとってしまいがち、高タンパク、低糖質食を心がけましょう。
まとめ
今回は糖質について考えてみました。
日本人の食事摂取基準(2020年版)にも書いているように、糖質は何をしても摂取するし、いつの間にか過剰になっていることが多いです。
しかし、どれぐらいが過剰かがまだわかっていません。
しかし、精神病である統合失調症や双極性障害の人は大部分が糖質のみで1日の食事が完結している事が多いです。
心療内科の藤川徳美先が書いている
「 うつ消しごはん 」
でも書いているように、糖質ばかりでは体の血糖値が乱高下するため精神的におかしくなりやすいです。
できれば高タンパク質食を心がけることで、結果的に低糖質食となります。
ぜひ、糖質をへらす意識をしてみてください。
気持ちがラクになりますよ。
以上!おわり!
The post 過剰な糖質ってどれぐらい?糖質とりすぎは危険です。【精神疾患のリスク要因】 first appeared on なおどらログ.