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 自宅に仮想マシン(VM)を用意すると、IT管理者は在宅勤務などのテレワーク中に新しい技術を試したり、VMの管理スキルを習得したりしやすくなる。VMを構築するには、適切なハードウェアを選ぶことが重要だ。前編「仮想マシン(VM)を自宅で動かすには『物理サーバ』は必要? それとも不要?」に続く本稿は、自宅でVMを構築するときのCPUやメモリ、ストレージの選び方を説明する。

 物理CPUは、特定のハードウェアで実行する複数のVMが共有することになる。そのためIT管理者は、コア数の多い高速CPUを使用するとよい。

 CPUを選ぶ際には、CPUの世代に注意する必要がある。例えば一般にIntelのCPU「Intel Core」の第10世代の方が、第7世代よりも処理が速い。新しい世代の方が新しいアーキテクチャやメモリキャッシュ技術、機能を採用するからだ。どのCPUを選ぶとしても、ハードウェアレベルで仮想化技術が利用できることを確認しておく必要がある。

 自宅用VMを稼働させるハードウェアを選ぶ際、考慮すべき最重要要素の一つがメモリだ。サーバのメモリは、実行できるVMの数を左右する要因になる。

 メモリを選ぶ際に考慮すべき主な基準は、一般的にはデータ転送速度と容量の2つだ。テレワークのためにVMを構築する場合、データ転送速度より容量が重要になる傾向がある。ハードウェアを選ぶときは、そのハードウェアのドキュメントを読み、利用可能なメモリのデータ転送速度と容量を確認する。予算が許す限り、手元のハードウェアで利用できる最大容量のメモリを搭載することを推奨する。今すぐ必要でなくても、いずれは多くの容量が必要になる可能性があるからだ。

「ストレージ」の選び方

 ストレージには、IT管理者は稼働する全てのVMにとって十分な容量を確保しなければならない。VM関連の全ての処理を滞らせない水準のデータ転送速度も必要だ。

 SSDなどのフラッシュストレージは比較的高速なデータ転送を実現する。ただしIT管理者が1基のSATA(Serial ATA)接続型SSDで動かせるVMは通常、2、3個だけだ。VMの数がそれ以上になると、実効的なデータ転送速度が著しく低下する。ただしVMで稼働させるワークロード(アプリケーション)次第で、ストレージの実効データ転送速度は大きく変わる。

 複数のストレージで冗長構成したストレージアレイにVMのイメージファイルを格納することや、SATA接続型SSDより高速なデータ転送が可能なNVMeフラッシュストレージの採用も検討するとよい。

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