headless 曰く、
米カリフォルニア州で 2022 年施行の州法により、州内でベーコンが入手困難になる可能性を AP News が報じて波紋を呼んでいる(Los Angeles Times の記事、 FOODBEAST の記事、 New York Magazine の記事)。
この州法は家畜を狭い場所に閉じ込めて飼育することを禁ずるもので、2018 年のプロポジション 12 として住民投票で 62.66 % の賛成により可決した。2020 年に施行された採卵用鶏の飼育スペースを 1 平方フット (約 0.1 m2) 以上、子牛肉用の子牛の飼育スペースを 43 平方フィート (約 4 m2) 以上とする規定で大きな問題は生じていないが、2022 年に施行される繁殖豚の飼育スペースを 24 平方フィート (約 2.2 m2) とする規定では問題が生じる可能性が高いようだ。
飼育スペースに関する規定は州内で飼育される家畜のみではなく、州内で肉として販売される家畜にも適用される。カリフォルニア州では米国内で生産される豚肉の 15 % を消費しており、州内のレストランや食料品店では月間約 12 万トンの豚肉を扱うのに対し、州内で生産される豚肉は約 2 万トンに過ぎないという。豚肉の生産量が米国内最多のアイオワ州では、典型的な養豚場で繁殖前後の母豚を入れる檻の広さは 24 平方フィート未満であり、現時点でカリフォルニア州法の規定を満たす養豚場は全米の 4 % 程度にとどまるとのこと。
これにより州内で豚肉供給量が大幅に減少して価格の上昇を招くという試算もあるが、豚肉の一大消費地であるカリフォルニア州を失うことはできないため、最終的にはこの規定が全米の標準になるとの意見も出ている。いずれにしても、同じ広さで飼育可能な豚の数が大幅に減るため、価格の上昇は避けられないとみられる。
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