岸田文雄首相は10日に発足させる第2次内閣で外相に林芳正氏を起用する意向だ。与党幹部に伝えた。林氏は岸田派に所属し、防衛相や農林水産相、文部科学相を歴任した。超党派の日中友好議員連盟会長も務める。
外相はいま首相が兼務している。自民党の甘利明前幹事長が衆院選の小選挙区で敗れて辞任し、後任に外相だった茂木敏充氏を充てたためだ。
林氏は60歳。米ハーバード大大学院を修了した。参院山口選挙区で5回当選後、10月の衆院選で山口3区から出馬して衆院議員になった。2012年の自民党総裁選に出馬した経験もある。岸田派では首相に次ぐ座長を務める。
岸田政権は東アジアの厳しい安全保障環境を踏まえ、日米同盟を基軸に外交を展開する方針だ。中国は沖縄県・尖閣諸島周辺で活動を活発化させ、北朝鮮は弾道ミサイルを発射している。
外交・安全保障や経済で米中の対立がさらに深刻になる可能性もある。首相は米中ともに人脈があり閣僚経験も豊富な林氏に対応させる。