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放射線治療を最適化する「スマート放射線がん治療室」がNEDOの研究開発型スタートアップ支援事業に採択

「小型陽子線がん治療装置」の開発を進めるビードットメディカルは9月6日、国立成育医療センターとの共同研究「スマート放射線がん治療室の実用化開発」が、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の研究開発型スタートアップ支援事業「Product Commercialization Alliance」(PCA)に採択されたことを発表した。

陽子線治療は腫瘍をピンポイントで狙い撃ちにできる高度な治療法だが、誤って腫瘍周囲の臓器に照射すると大きなダメージをもたらすというリスクがある。そのため、治療前に照射位置を決める「患者位置決め」という作業が重要になる。しかし、それが治療時間の大部分を占め、治療室の占有時間も長い。特に子どもやお年寄りの場合は、さらに時間がかかる傾向にあるという。

ビードットメディカルによる「スマート放射線がん治療室」は、患者位置決めを治療室とは別の場所で行うという新たな試みで、AIスケジューラー、患者を自動走行で運ぶシャトル治療台、位置決めを行う3次元カメラなどの技術を組み合わせたシステムとなっている。これが実用化されれば、治療室の1人あたりの占有時間を短縮でき、より多くの患者の治療が可能になる。

今回、PCAに採択されたことで、ビードットメディカルはこの「スマート放射線がん治療室」の開発に着手し、同時に「小型陽子線がん治療装置」の開発も加速するとのこと。

放射線治療を最適化する「スマート放射線がん治療室」がNEDOの研究開発型スタートアップ支援事業に採択

ビードットメディカルは、量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所認定のベンチャー企業。開発中の「小型陽子線がん治療装置」の開発は、NEDOとAMED(日本医療研究開発機構)の支援を受けた事業で、既存のX線治療室に収まるよう、大幅に小型化され、低価格化されるという。