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8月26日より、DMM GAMESより発売予定のPS4/Xbox One/PC(DMM GAME PLAYER)向けサバイバルホラーアドベンチャー『ソング オブ ホラー』。発売に先がけ、8月5日、東京某所にて、本作の試遊会が行われました。

2020年に11月のアクションRPG『Outward』試遊会では大自然の中でのキャンプ&バーベキューイベントを、2021年5月のファンタジーRPG『パスファインダー:キングメーカー ディフィニティブエディション』試遊会ではTRPGイベントを行うなど、毎回豪華な企画を立ち上げてくれるDMM GAMES。

今回の試遊会ではホラータイトルを扱うということで、会場は恐怖感マシマシな、とある暗がりの場所で行われることに……! 本稿では、そんなイベントの模様についてレポートをお届けします。

ホラー感たっぷりな環境の中、試遊会がスタート!

一般的な試遊会では通常、会場の詳細について事前に告知されるのですが、今回知らされていたのは、集合場所がとある駅の改札口前という情報のみ。集合場所付近にはDMMのスタッフの方が待機してくれており、そこから試遊会の会場まで案内してもらえるという段取りになっていました。

「一体どこに連れていかれるんだろう……」とドキドキしながらスタッフの後ろを付いて歩いていると、案内された先には、なんと赤い血にまみれた救急車の姿が……! 何を隠そう、今回の試遊会は今話題のデリバリーホラーサービス「絶叫救急車」完全協力という、ホラーゲームファンにとってサービス満点な(ホラーゲームが苦手な方にとって悪夢のような)環境下で行われることになっていたのです。

絶叫救急車とは、2021年夏から営業を開始した、株式会社怖がらせ隊による移動型のお化け屋敷のこと。車内は3D立体音響や水飛沫、振動シートといった仕掛けが完備されており、コロナ禍でも非接触で楽しめるホラーコンテンツとなっています。筆者は絶叫救急車について、過去にニュースで読んで知っていたのですが、実際に目にしてみると、そのビジュアルの異様さ、非日常さに圧倒されてしまいました。そんな世にも恐ろしい救急車がバックドアを、まるで異界への入り口のように、ぱっくりと開けてこちらを待っているわけですから、たまったものではありません。

真っ暗な救急車の車内にあるTVモニターから、薄ぼんやりと『ソング オブ ホラー』のプレイ画面が光っているのが見えます。何が起こるか分からない状況に胸をドキドキさせながら、サバイバルホラーゲームの試遊会はスタートとなりました。

救急車の中に明かりは一切なく、あるのはゲーム画面の明かりのみ。暗がりの中、ヘッドホンを付け、画面に前のめりになってプレイするという、ホラーゲームに最適な環境が整えられていました。モニターのそばには操作方法などを記した説明書がありましたが、あたりが暗いため、スマホの明かりを頼りにして読まなければならないといった、かなり凝った仕掛けになっていました。

キャラクターロストやAIによる恐怖演出など、本作ならでは仕掛けが光る

『ソング オブ ホラー』の物語は、家族全員とともに行方不明になってしまった歴史小説家・セバスチャン・P・ハッシャーを探すため、編集者が自宅に部下を派遣する場面から始まります。

主要キャラクターは、総勢13名。それぞれ能力値や所持アイテムが異なっており、自分のプレイスタイルに合わせてキャラを選択することができます。今回の試遊会で選択できたのは、画廊の経営者であるソフィー、出版会社の営業部長を務めるエティエンヌ、使用人のアレクサンダー、電気技師であるアリーナの4名。その中から筆者は、スピードや体力といったステータスのバランスが良い、ソフィーを選択しました。

探索パートでは、調べられる箇所が多く設定されている印象で、ひとつひとつのオブジェクトに対してキャラクターがコメントを発するなど、テキスト量も多いです。キャラがオブジェクトに興味を持ったり、プラスアルファの知識を披露してくれたりと、探索を通じて世界観とキャラクターについてより理解を深めることができる仕組みとなっています。マップの中にはキーアイテムも散りばめられており、オブジェクト自体がキラリと光るようになっているなど、視覚的にも分かりやすい作りです。

入手したアイテムは360度あらゆる角度から調べる必要があったり、別のアイテムと組み合わせることで初めて効果を発揮する物もあったりと、探索は一筋縄ではいきません。一見無関係そうなオブジェクトも、実際に調べてみるとキャラクターの意外なリアクションが返ってくるなど楽しく、マップを隅々まで探索したくなるような魅力があります。

探索中は、基本的には無音。床のきしみやドアの開閉、時計の針といった環境音のみが響くなど、ムード作りが徹底されています。

とはいえ、館の中には恐ろしい異界の存在が、キャラクターの命を奪わんと徘徊しており、いつまでものんびりとマップを探索しているわけにもいきません。敵と遭遇してしまわないよう、部屋に入る前にドアに耳を近づけるようにして室内を確認したり、テーブルの下に隠れるなど、身をひそめる必要があります。

一度異界の存在に捕まってしまうと、今後そのキャラクターは使用できなくなるといったキャラクターロストが設定されているため、緊張感はかなりのものがあります。もしかすると、キャラクターの生死によって、ストーリーの結末が変化する仕組みもあるのかもしれません。

また、プレイヤーの行動についてAIが学習し、プレイスタイルに合わせて演出内容が変わるという仕掛けも、本作のユニークなポイント。ゲームスピードが早いプレイヤーに対しては怪異が待ち構えているような演出が起こり、慎重に進むユーザーに対してはじわじわと怪異が出現するようになるなど、恐怖表現のパターンに変化が生じるようになっているそうです。

ホラーゲームにて、マップに仕掛けられた恐怖演出に気づかずそのまま通り過ぎてしまうというのはひとつのあるあるだと思うのですが、AIの学習機能により、それぞれのプレイヤーが恐怖演出に気が付く可能性が引き上がるとのことなので、しっかりとホラー体験を味わいたいプレイヤーにとってありがたい仕組みです。

探索も終盤にさしかかり、エピソードのクリアが目前といったところで突然、救急車内に窓を叩くような音が響き渡るというサプライズが! 音がする方向を見ると、顔を包帯でぐるぐるに包んだクリーチャーと、白目を剥き出しにした恐ろしい顔のクリーチャーが、窓を突き破ろうとする勢いで手を叩きつけているではありませんか!

試遊会の中で何かが起こるはずだとは思っていましたが、まさかゲームプレイ中に、本作に登場するようなクリーチャーたちに襲われるなんて、思いもよりません。クリーチャーたちに救急車を揺らさんばかりの勢いで窓が叩かれ続ける中、ホラーゲームの世界と現実世界との狭間に迷い込んでしまったような、なんとも奇妙で、特別な体験を味わうことができたのでした……。

『ソング オブ ホラー』の開発を手掛けたのは、スペイン・マドリードを拠点とする「Protocol Games」。Protocol Gamesのチームは日本のホラーゲームのファンでもあり、本作には「バイオハザード」シリーズや「サイレン」シリーズ、「零」シリーズへなどのオマージュが随所に散りばめられているそうです。

今回の試遊会でも、キーアイテムがキラリと光る演出や、アイテムをあらゆる角度から調査する画面、パズル、クリーチャーデザイン、カメラワークなどから、その一端を垣間見ることができました。ホラーゲームファンほどニヤリとできる場面は多いですし、キャラクターロストやAIによる恐怖演出の変化など、本作ならではのホラー体験もしっかり用意されています。

今回の試遊会は最高難易度になっていましたが、キャラクターが死んでしまったポイントからやり直せるといった難易度が低いモードも用意されているとのことなので、アクションゲームが苦手な方も安心です。アーカイブの収集などやりこみ要素を含めて、全体のプレイ時間は15~20時間を想定しているとのことでした。

まだまだ暑い日々が続く8月。猛暑を恐怖で涼しく乗り越えたいという方にピッタリな本作を、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。